Vol.7 与論島:母と③好天ではなく荒天
沖縄地方と関東とでは気候帯が異なる。1月東京で寒さに震える時に与論島では平均気温が約17℃、関東の初春ような穏やかさ。
仮令滞在時が雨天であっても気候ストレスからは解放される。
与論島から離れる前日から荒天に向かう。
刻々と空は夕刻への時間に合わせ暗くなりながらも不思議な明るさを持っていた。視界の一番遠くに白波が一直線に見えるのは、ここ与論島がサンゴ礁に囲まれている為だ。
心もとないプロペラ機で訪れた観光客にとっては随分不安になる風の強さだった為フロントに明日の欠航の可能性を問い合わせるが、心配の必要はないと予想外に簡単に云われてしまう。
フロントの回答に安堵した後は、そうそう見られない海が荒れていく様子を母とTVドキュメンタリー作品でも見ている感覚で楽しむことができた。
青い空を背景にした南国の写真は溢れていて容易に見ることができるが、こうした天候を敢えて写真や番組にすることは少ないことを考えるとこれはこれでラッキーだったとも云える。