見出し画像

君の黒い瞳

 自分と違う生物を共に生活すると、神さまは本当に上手に生き物を造られたのだと感心すること多々。勿論、どうしてウサギは前足の機能がこれほどまでにないのか、と理不尽な面もあることも確か。*絵本、ピーターラビットの擬人化をそのまま彼らに当てはめると違い過ぎて驚くかもしれない。

 動物の黒い瞳は保身の為と聞いている。
 人間でいうところの白い強膜は黒目を強調することでコミュニケーションに役立っている。ある時には、例えば「あなたを見ています」と意思を伝え、反対に無視している意思表示も可能。
 だが、草食動物にとって相手に気持ちを読まれることは危険に繋がる。

画像1

 両眼視野が狭く立体的に見え辛くとも、360℃全視野をカバーすることの方が身を守ることに大いに役立つ。
 うさぎは視力も弱いらしく0.05~0.1。顔の真横に目がある為、目の前で視界を調整することは難しい様子だ。何かが良ければ、何かは犠牲になる。

画像2

 メキシコの民話に「うさぎのみみはなぜながい」とウサギを扱ったお話がある。
 森の中で弱いウサギは、神さまに直談判に行き「もっと私を大きくしてください」と懇願する。神さまはとてもウサギには解決不能に見える難題を3題授ける。「トラとワニとさるの皮を持って来たなら望みを叶えよう」と約束をした神さま。ウサギは、必死に知恵を絞って課題をこなしたのだ。
 けれども、こんなに小さな生き物がトラとワニとさるに勝る知恵者であれば、これ以上ウサギの躰を大きくすることは危険だと考え、耳だけを大きくしたとのこと。
 約束を反故にされ可哀想なウサギだこと。 

 確かに、黒い瞳はどの方向を見ているのかは分からないが、視力の代わりに忙しい耳はレーダーよろしく終始向きを変えながら動いている為、案外と何対して興味や警戒をしているのかは分かるのよね。
 君の好奇心が常に全開でありますように。

いいなと思ったら応援しよう!