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「パリに見出されたピアニスト」
原題:Au bout des doigtsi
監督:ルドビク・バーナード
製作国:フランス・ベルギー
製作年・上映時間:2018年公開 106min
キャスト:ジュール・ベンシェットリット、ランバート・ウィルソン、クリスティン・スコット・トーマス、カリジャ・トゥーレ、ミシェル・ジョナス、エルザ・レポイブレ、アンドレ・マルコン
作品最後で出てくるメッセージを考えると邦題は如何にも日本向けの情緒。パリは単なる舞台であって要因ではない、見出してもいない。これでは観光ポスターと変わらなくて可哀想。
話の展開は、既にどこかの監督が映画に仕上げたレベルのごく普通どころか、ステレオタイプに貧困の連鎖に巻き込まれ犯罪にも手を染めるが、それでもピアノ好きの青年の成長物語。
ここまで盛られてしまうと、「グッドウィルハンティング」に軍配があがってしまう。
只、同じ週に「蜜蜂と遠雷」という全く音楽映画になっていない作品で時間を無駄にした後だったこともあり、その影響で少なくとも観終わって後は「時間の無駄」とまでは感じずに済む。
プロコフィエフの曲を聴くと踊りたくなる、或いは、世界は音で溢れている、その程度の「蜜蜂と遠雷」脚本からすると、もう少し音楽へのアプローチやピアノへの愛着、関わりを見られた。
ガールフレンドとのシーンは多過ぎたが、青春映画とみるなら仕方ないのか。この部分をもう少しピアノと向いた時間に充てることで内容は濃くなった筈。それでも、本格的レッスンを受けていない青年をいきなり荒削りと云いながらも天才扱いで数か月後のコンペティションに出させる、それも楽曲はラフマニノフというのは無理がある。
それでも、途中席を立ちたくならなかったのは、もう一人の主役ピアノが美しく撮られていたこと。演奏シーンは派手な部分だけではなく地味な部分も含めて撮られていたこととTVドラマではなく映画としての絵があったことか。
★★