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倫敦:London23 予想外

 「現地」に行かなくては殆どのことが分からないことは、グーグルアースがあろうとストリートヴューがあっても同じ。日本へ訪れた観光客の方々も同じような経験をされていることだろう。勝手なイメージと実際のギャップも含めて、映画の断片や小説で組み立てていたものが現実となって現れる。
 ロンドン街風景で必ずと云ってよいほど入る「赤い二階建てバス」。

 赤い二階建てバスを最初に目にした時だけが小さな男の子のようにそのリアルさに確認の意味「ロンドンに来たのね」類の感激があった。しかし、区間限定車両でもない街中に溢れる「赤い二階建てバス」は瞬殺に近いほど「見るべきリスト」に二重横線が引かれ終了だった。至る所でお土産品にもなっている存在のロンドンを代表するバスだが、その赤色にも日本では見られない二階建てに慣れてしまう。

 ヨーロッパで走る数多く走るシトロエンを見た時にこの感覚は近い。

 反対に飽きなかったのは、街路樹をはじめとした木々たち、植栽。曇り空の下、写真には映えない状況でも心惹かれる緑らだった。それらは特別にイヴェントの為に用意された飾りの緑ではない。

 小説で時折目にする「Charing Cross Station」(*地下鉄ではなく)を見たいと二人の意見が一致し寄り道散策中に上の写真状況に遭遇する。
 単に外壁に蔦を這わせるのではなく、外壁そのものがキャンパスになっている。維持手入れも大変な植栽。道路沿いにあるハンギングバスケットも実は立派な大きさなのだが、外壁キャンパスの横では目立たない。
 関東圏内某市(現市長前)のように税金投入し「花が溢れる街」を推進したところで砂漠に水、費用対効果は期待できない。「誰かが」する運動では市民は動かない。個々の意識ある動きがこうして街中に潤いをもたらすのだと、貧弱な街路樹しかない日本とつい比較してしまう散策だった。







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