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「アポロ11 完全版」

原題:Apollo 11
監督:トッド・ダグラス・ミラー
製作国:アメリカ
製作年・上映時間:2019年 93min
キャスト:ニール・アームストロング、バズ・オルドリン、マイケル・コリンズ、ジョアン・H・モーガン

 「アポロ11を観に行かない?」と友人らを誘うと「あの有名なアポロ13号でしょう」と返ってくる。「11」と云っているにも拘わらず、映画でアポロとくると「13」と思い込まれている。
 都内で上映されている映画館は限られ、その上レイトショーと観る環境は何故か厳しかった。

 改めてここで今回作品の説明は不要な程、世界中で情報共有している月面着陸を成功させた「アポロ11号」のドキュメンタリ。
 元になったフィルムはアメリカ公文書記録管理局保存・NASAの提供により新たに発掘された珍しい70ミリフィルムのアーカイブ映像。加えて11,000時間以上におよぶ音声データで製作される。
 一切のナレーション無しに作品は進むが、寧ろ、あの50年前に立ち会っている臨場感を味わう。

 「アポロ13」が好きで何度も観ているが、サターンV発射シーンは「これはCGではないのよね」とこころの中で呟きながら発射情景にこれまで観ていたCGの薄ぺらさを知った。
 発射場まで移動シーンのキャタピラの大きさに驚きながら、それを撮影するアングルの良さにも脱帽。記録を超えた美しい画像が全編に及ぶ。

 「ファースト・マン」を観ていた。上映後は様々な人の思惑に振り回され評価を下げられた作品ではあるが、私はとても、良い作品と受け取った。ニール・アームストロング氏の寡黙さと忍耐の人をこの静かな作品で確認し、「アポロ11」で実際にその肩どころか躰全体にかかる重責と死の覚悟が見え伝わった。

 「ドリーム」2016年、この作品では「マーキュリー計画」が描かれている。アポロ前の計画である。まだコンピュータがなく紙の上で計算していた時代からIBMが導入されるシーンが描かれている。
 この「アポロ11」でも、机上で計算する様子が映った。きっと観る度に「発見」があるドキュメンタリ作品だ。

 人類は月面着陸はしていない、と未だにコメントを見る。
 2009年には無人月探査機「ルナー・リコネサンス・オービター」が月面に残された歴代のアポロ宇宙船の残骸を撮影しているが、それでも、こうした否定説がなくなる兆しは今のところ見られない。
 もし捏造であるとした場合:このドキュメンタリでも多くの方々が関わっていることが分かる、そのすべての人が「墓場まで」秘密を持っていくのか。あり得ないことだ。さぞかし天国の門は審査に手間取り「NASA専用」コーナー設置を悩むことになるだろう。

 地球外の地に降り立つ、これはアメリカの叡智と力で成せた偉業であると同時に世界中で分かち合える喜びと希望を与えてくれたことも事実。
 50年前の出来事が全く色褪せていない。
★★★★

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