水仙

水仙…母との時間

 冬枯れた庭に色を付けているのは、白実の万両と千両の赤い実、そして、キルタンサスのピンク。千両の実は鳥も美味しいらしく随分とついばまれたが辛うじてまだ庭に色を添えている。
 厳冬であっても凛と咲く水仙が今朝花開いていた。
 カウアイ島旅行後、十日程一緒に暮らしている母も水仙の蕾には気が付いていたらしく、母娘で同じ蕾の様子を見ていたことが夕飯の話題に上る。
 残念ながらパートナーは庭木もガーデニングにも全く興味が無い為、母とのこうした時間もうれしい。
 明日は母を羽田に送る。
 離れて夫々の生活をしていると、急に一緒に暮らすことの最初に「距離感を探る時間」が母娘でも必要となる。食事の時間帯から食事そのものメニューまで互いの歩み寄りが求められる。
 生活のリズムを掴み始めた頃にはお別れが悲しい。
 

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