リリーのすべて

「リリーのすべて」

原題:The Danish Girl
監督:トム・フーバー
製作国:イギリス
製作年・上映時間:2015年 120min
キャスト:エディ・レッドメイン、アリシア・ビカンダー

 敢えて冒頭写真を女装ではない一枚を択んだのは男性であるこの時点で薄く垣間見える男性としては繊細な一面が十分に出ていることを伝えたかった。首の辺りなどかなり華奢で本来彼が持つ体形が演技のbaseになっている。「キャロル」はまだ同性愛に理解を得られない時代を描き、このリリーでは世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いている。どちらも時代が早過ぎて社会に受け入れられなかった話だ。
 リリーのすべてはかなり実話に忠実に脚本が書かれている。また、1926年デンマークの時代が丁寧に映像化され色彩に溢れる街の風景が動く絵画のように美しい。それほど昔の時代の話ではないことに映画の時代を感じさせる画面からはギャップがあって驚く。E.レッドメインの前回「博士と彼女のセオリー」にも魅せられたが今回も緻密な組み立てがあり彼の女装に違和感を感じさせない。映画の為の話ではなく現実の話であったことが悲しい。
★★★★

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