「一度死んでみた」
監督:浜崎慎治
制作国:日本
製作年・上映時間:2020年 93min
キャスト:広瀬すず、吉沢亮、堤真一、リリー・フランキー、小澤征悦、嶋田久作、木村多江、松田翔太
コメディ枠で生死をテーマにギリギリ悪ふざけを避けられているのは、俳優陣が笑いを取る演技ではなく真面目な演技をしての結果か。
現代版ロミオとジュリエットが製薬会社を舞台に父娘関係の中で繰り広げられる。
新人は型に嵌った役の連投になると演技の幅を広げられないまま消えるしかない。消える間際に足掻いたところでその時はキャスティング欄にも載らない役か、男女問わず悪役となることが多い。
今回の広瀬すずの遅れた反抗期役は、まだかわいらしさが残る時期に臨んだことで不自然さがなかった。堤真一氏には頭が下がるほどの見かけカッコよさを捨てた演技。この演技あっての広瀬でもあった。
シリアスな「Fukushima 50」にも多くの俳優が出ていらした。今回、このコメディ作品にも映画紹介のキャスティングには載りきれないほど贅沢に俳優さんが出演している。ここで触れるとそれはある種ネタバレになる為俳優さん方の名は控える。
意外と小さな伏線がバラまかれ、そして、丁寧に回収されていく。小ネタも多く、クスリと笑うこと多々。
ストーリーを求める必要が無い分、テンポよく進み、今どきにしては珍しく93分で抑えている辺りも好感が持てる。原作がコミックになることが多い中でのオリジナル脚本にも星を付けたい。ポイント鑑賞で期待していなかったが素直にドタバタコメディを楽しむ。
★★☆
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