「マグニフィセント・セブン」
原題:The Magnificent Seven
監督:アントワン・フークア
制作国:アメリカ
製作年・上映時間:2016年 133min
キャスト:デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、クリス・プラット、ヴィンセント・ドノフリオ、マヌエル・ガルシア・ルルフ、イ・ビョンホン、マーティン・センズメアー、ピーター・サースガード
黒澤明監督の代表作『七人の侍』(1954)、ハリウッドリメイク版「荒野の七人」(1960)二作を原案の西部劇、で映画の内容説明は十分。黒澤監督作は50年過ぎても尚男性には心掻き立てられる物があり「自らの手」でリメイクしたいのだろう。この映画公開も2017/1/27、ほぼ公開と同時に観ているにも拘わらず温めている内に1年が終わろうとして慌ててUPの作品。
映画が始まってしばらくの間「電線が一本もない風景」を楽しむ。
TVドラマ水戸黄門や大岡越前に説明が不要と同じく、西部劇も時代劇であり設定は同じ『悪を成敗する』それだけ。大きなどんでん返しもなければ秘密兵器もなく、勿論過剰なCGもない。人が居るだけ。
それでも今回私が楽しめたのは役者の方々が一人一人役を演じていることの隠そうとしても溢れているそのしあわせ感のおすそ分けをもらったからだ。おそらく出番待ちは高校男子生徒よろしくの世界だったろうことが伝わる。実際、イーサン・ホークとイ・ビョンホンは役柄通り仲が良かったそう。
夫々の役者が主役を取れる。その彼らがいいバランスで「7人」のチームを作るあたり贅沢な作品だ。
この時代にこれ程の人種の多様性があるのか調べてみるとフィクションではなかった。西部には想像以上に混沌があったよう。
私の映画選択の中では異質に映るかもしれないが、一年に数本はこうした伏線や顔の表情の細かさ、BGMの変化など気にしないで画面だけを楽しみたい時がある。「格好いい」は最上級の褒め言葉だと7人を観ての再認識。
★★★★