[ガソリン生活]
初版発行:2016年3月30日*文庫版
著者: 伊坂幸太郎
出版社: 朝日新聞出版
ジャンル: 小説
この本に限らず、映画、音楽、写真、絵画、所謂「芸術」と一般に云われるものや感性が大きく関わるものにそもそも優劣は存在せず、個人的にその作品を受けいれられるのか、つまり作者(作り手)とその時点の感性が似ているかどうかが「個々の作品の受け入れ判断」なのだと考えている。当然、同じ作品でも受け入れ側の感受性の変化で同じ作品への評価は変化する。
前書きが長過ぎて申し訳ないのは、伊坂の小説は好きで「オーデュポンの祈り」から殆ど読んでいるにも拘わらず、この作品は読むことが苦痛だった。
このコンセプトは必要だったか???と、何度もスピード感を止めるそのプロットに気持ちが止まる。投げ出したかった。
文庫に関しても初版限定云々とサービスが幾つかあるが、こうしたことはあくまでも「おまけ」の世界。516頁、結局は仕事の絡みもあって読んだが、そうした縛りが無い方は無理して読まなくても結末が見えた時点で止めても何ら問題ないことをお伝え。目次レイアウト(文庫版)のワクワク感はすぐに消えることが残念。