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袋田の滝 : 四度(よど)の滝
茨城県北に位置する久慈郡大子町に在る。
久慈川の支流滝川に架かる袋田の滝は、高さ120メートル、幅73メートルとこれまで旅先で見てきた滝の中でも一番規模が大きい。
因みに日本三名瀑は日光の華厳の滝(栃木県)、熊野の那智の滝(和歌山県)、奥久慈の袋田の滝(茨城県)。
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振り返ってみると滝自体が旅行先の目的ではなくとも様々な滝を見てきていることにこの文を書くにあたって思い当たる。
青森県奥入瀬渓流で見た幾つもの滝(青森県)、日光華厳の滝、遠くから眺めた那須の駒止の滝(栃木県)、養老渓谷にある落差約30m、全長100m幅の緩やかな粟又の滝(千葉県)、幅30m東洋のナイアガラといわれている吹割の滝(群馬)、昇仙峡の仙娥滝(山梨県)、日田天ヶ瀬の桜滝(大分県)、高千穂峡で見た真名井の滝(宮崎県)、カウアイ島の古代ハワイの王たちが武勇を見せるため飛び降りていたと言われる高さ25mのワイルア滝(アメリカ)、と。
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言うまでもなく地形が成せる技と水が豊かさがこれらの滝を形成している。番外編のようなカウアイ島もハワイ諸島の一番北に位置し、歴史的にもハワイ諸島の中で最初に出来た島だからこそ南に在るハワイ島とは全く異なる緑豊かで水がある様相を示していた。
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三が日の三日に袋田の滝へ行った。東京からはお正月道路事情のお陰で行きは2時間少しで久慈に着く。年末から暖かな日が続いていたこともあって滝の氷結は全く期待していなかったが一部氷結の滝がそこに在った。完全氷結でなくとも佇まいとしては申し分がない。
寒さは不思議と感じないまま、その水墨画のような確かに滝の音はしているのにも拘わらず静けさの中に居るような錯覚に包まれた。
第二観瀑台から見ると「四度(よど)の滝」と呼ばれる理由である滝の流れが大岩壁を四段に落下することが分かる。
西行法師がこの滝を見て「四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣味わえない」の意味が理解できる。季節によって水量も変化し、衣替えのように滝の両側の風景が違う色を添えてくる。このことは勿論袋田の滝だけではなく他の滝でも言えること。
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第二観瀑台にあった四度瀧不動尊の奥の院の説明を読んでいる時に案内の方から「こちらの場所からよく見えます、但し、春から夏木々が葉を付けると全容が見えなくなるのですよ」と教えていただく。
奥の院は江戸時代に「懸造」で造られた。以前は遊歩道から行けたそうだが現在は立ち入り禁止になっている。その為に観瀑台へ行くトンネル内に参拝所が作られていた。(残念ながらこの日はあまり足を止める人がいなかった。)
そこそこ観光の人がいて静けさの中でゆっくりと見ることは叶わなかったけれども、次回は季節を変え、且つ、袋田の滝よりも更に奥に在る生瀬滝まで500段弱の階段にめげず訪れたい。