見飽きぬ富士山
河口湖を一周するには十分な時間が取れなかった為に富士山を背に河口湖湖畔遊歩道を時計と反対に回りに約5km、地図のイメージでは河口湖に架かる橋の東側狭いエリアを歩く。
湖畔遊歩道を進むと山陰から段々と姿を現す富士山はどの角度から捉えても美しかったが、やはり、なだらかで優美な裾野が全景に入ると訪日観光客では無い日本人であってもその姿に見とれてしまう。
何ものにも遮られず富士山を見るには、こうして都心を離れる必要がある。富士山の写真を何枚も撮りながら、ふと、この山を見飽きないのは何故なのだろうと思考が回り始める。
雲のかかり方、空の色、太陽の位置、湖面、そのどれもが常に少しずつ変化する中で、自身が描く富士山に近い状態を無意識に探す。
完全は存在しない為に、常に目の前の富士山を検証し飽きないのかもしれない、と小さな結論で取り敢えず収めた。