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「デッド・ドント・ダイ」

原題:The Dead Don't Die
監督:ジム・ジャームッシュ
製作国:スウェーデン・アメリカ
製作年・上映時間:2019年公開 105min 
キャスト:ビル・マーレイ、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィントン、クロエ・セヴィニー、イギー・ポップ、トム・ウエイツ

 アメリカの小さな町センターヴィルにあるダイナーでの変死事件が事の始まり。対応にあたるのはこの町の警官3人。
 予告でも分かるようゾンビ物。

 ジム・ジャームッシュ監督が吹くホイッスルに集まった俳優ら、ゾンビ作品とは結び付かない俳優集結ではあるのだが、その個性は見事に作品に反映されている。

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 私にとっては映画館解禁一作目がゾンビ.....若干引っ掛かりはあったのだが、ビル・マーレイ、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィントンと揃う上、「パターソン」の監督。

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 俳優陣の個性を更に濃縮して作品は展開。政治的要素を滲ませず、しかし、チクリチクリと風刺的な笑いを随所に挟みコメディの形を借りて届く人にだけ届く程度の現代社会風刺。

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 町に増殖していくゾンビたちは生前の欲求を体現していて、死んでからもまだ囚われ続けるその姿はもう笑うしかない。
 監督はインタビューで、生きている現代社会構成員がゾンビのようでそこからこの作品が生まれたと話す。

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 作品冒頭から出演する世捨て人(トム・ウエイツ)は、何故かゾンビ繁殖圏外から町の様子を見ている。伏線に見えていた幾つかは回収されないまま、この結末?で終わるが何故か未消化感がないことは救い。

 日本人には今一つ響かないゾンビ。(*私だけかも知れない)
 現代の日本の法律では土葬許可証を入手することで土葬をすることは可能であっても先ずは限りなく不可能に近いことだ。99%が火葬という数字にこの事は現れている。そうなるとこのゾンビの類は中々理解が難しい。まだ、吸血鬼の方が話としては入ってくる。
 私にとってはジム・ジャームッシュ監督味付けだから観ることができたゾンビ物となる。
★★☆








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