22:Kauai⑭ 非公式存在の野良ニワトリ
来島する前からカウアイ島はニワトリが多いという個人ブログ等記事は幾つか見かけていた。旅行前に知り尽くしたくはなかった為、多いというからには他島との比較で目立つのだろう程度の認識でいた。
ホテル到着早々、この立派なエントランスで我が敷地のように闊歩するニワトリの出迎えを受ける。*タイトル写真
駐車場でも家族連れに会う。マリオットホテルは確かに敷地は広い。それでも、「此処にも居るのね」という存在。
ホテルビーチにも5羽のひな鳥を引き連れた家族が散歩中。こうなるとニワトリの餌付けを疑う。
しかし、ホテル敷地内だけではなかった。島内行く先々でニワトリらに出会う。それは、標高があるワイメアキャニオン展望台にさえ、「どうして此処まで来られたの」と不思議になるくらいの存在だった。
ここまでになると、観光要素で放たれてはいないことに薄々気が付く。一か所もニワトリのケージを見かけない、世話をする人にも合わない。
『野良ニワトリ』さんらだった。
非公式的存在であっても土産品の中では断トツで様々な商品化がされていた。只、これはカウアイ島へ訪れた人だけが解るとてもニッチな土産物ではある。少なくともハワイとイコールにはならない。
滞在中はこれほど出会い、土産物も多くありながらそれでもどの案内にも表記が無い不思議。帰国後この野良ニワトリの存在が気になり調べた。
1992年9月カウアイ島を直撃したハリケーン・イニキ。湾に面して立地しているマリオット・リゾートホテルも甚大な被害を受けていた。この時に飼われていたニワトリたちが野良化したらしい。この件を記事にしようとされた方がハワイ観光局から認めたくはないコメントを受けたとのこと。
ハリケーン被害の爪痕としてニワトリを見ず、カウアイ島が被害から立ち上がった同様に人工の世界から突如自然界に放たれ途方に暮れたニワトリが自力で生活している姿は、これはまた一つのありのままのカウアイ島であり、人ではないが生き証人ではないか。
人は適応能力は早く、滞在中二日目にはもう野良ニワトリさんらがどこを歩いていようが、駐車場で「ハトの代わり」に囲まれようが驚かなくなる。