一週間かけて鳥取を訪ねる:⑫米子城・海に臨む天空の城
一週間かけて東から西へと訪ねた鳥取県もほぼ終盤に差し掛かった。
鳥取県には三か所の城跡があるが、城マニアでなくとも県東に位置する鳥取城と反対に県西に在る米子城には同じ観光期間に訪れることがあるかもしれない。
鳥取城が現在も門等の復元工事途中に対して、米子城跡は城壁だけを残しその佇まいは静かだ。
頂上へは幾つかのルートがあるようだが、車で訪れたこともあって分かり易い三の丸駐車場側から登る。
三徳山での筋肉痛を残しながら登った道は幸いにも整備され急勾配もなく救われた。
鳥取城の途中からは悪路への用意が万全でなくては登れない山城ではなく、この城は急遽観光に組み込んでも問題なく頂上の風景を楽しめる。但し、往復に時間を要することを考慮し米子城観光の所用時間は90分を目安にすると余裕がある。
湊山頂上の天守(本丸)を中心に、北の内膳(ないぜん)丸、東の飯山(いいのやま)を出丸として、湊山麓に二の丸、三の丸を配し、城郭中枢部は中海から水を引き込んだ内堀をめぐらせて防御していたらしい。
米子城絵図は17世紀後半以降のもので、吉川期や中村期の米子城の姿についてはまだ解明されていない模様。私たちも頂上へ登る途中に近年の調査成果から発見された登り石垣の表示を目にしたように米子市教育委員会の史跡米子城跡保存整備事業で調査は継続している。
登り石垣が見られるのは、全国でも松山城、彦根城、洲本城、米子城と実は少ない。*滞在時間が限られたいた為に見に行けなかったのは残念。
ドローンでも飛ばさない限り、正直天空の城と呼ばれる全体像を見ることは出来ない。それでも、中海を目前にしたそのロケーションは十分に在りし日の姿を想像させた。
補足:
本丸北西側の遠見櫓から内膳丸にかけては登り石垣、本丸北東側の番所郭から北東麓の二の丸枡形にかけては竪堀設置。本丸からのびるこの2つの防衛ラインが城主御殿がある湊山北麓の二の丸を防御していることも確認されている。さらに、登り石垣は内膳丸から水手御門下郭までつながる防御ライン、竪堀は麓の二の丸高石垣につながる防御ラインを築いているそう。
城に興味がお有りの方は是非この珍しい登り石垣も天空の城だけでなく楽しんでください。