§イタリア・Siciliaへ 7:女の武器に国境不要
午前中のコロシアム周辺散策から、午後はスペイン広場がある北へ移動。
距離的にはTermini駅から徒歩圏内なのだが、午後は暑さが厳しかったことと地下鉄にはいずれ乗車することを考えるとローマの地下鉄に慣れていたかった。
リスボアでパートナーがスリに遭ったことがある。気を付けていた筈が全く財布を抜かれたことは分からなかったらしい。(*マガジン Portugal
「8.Catelo de Sao Jorge」参照)
イタリアでは、乗車券購入券売機にさえスリへの警告が出る程、また、スリも職業と云われるほどヨーロッパの中ではスリに関しては危険地帯の一つである。
このことは念頭に、旅行用に財布も時計も取られても悲しまないですむ品に交換し金額も分散して互いに持った。パートナーのサブバッグも旅行前に急ぎ買い替えイタリアのスリ対策はした。少なくとも、出来ることはした。
地下鉄のホームでは立つ位置に注意し、左右の人を失礼ながらすばやくチェック。そもそも混んではいない時間帯。
だが、遭遇してしまった。
ホームにも人は少なかった、到着した電車もガラ空きだった。だが、彼が入口付近で高校生くらいの女の子集団に取り囲まれて様子がおかしい。
もし、これがもう少し混んでいたならば、降車する人と乗車する人のもみ合いと見られるところだったが生憎状況はそうではなく異様だった。
私は、その集団から大人の女性に手を強く惹かれて座席に誘導され、此処に居るよう日本語で云われた。
この間、彼は5,6人の女の子にもみくちゃにされながら、彼の二本の手では制止できない女の子ら手がバッグを狙ってくる。また、タイトル通りに女の子の中には豊かな胸を押し付けてきたそう。
私を助けてくださったローマ人の彼女がスリ集団を一喝すると、まるで蜘蛛の子を散らすように降りそこなった女の子らは隣の車両へと消えていった。
ローマ人の彼女は日本語を学ぶ傍ら観光案内をしているそうで、今日もその案内へ行く途中とのことだった。
私たちにとっては実質ローマ初日の出来事。でも、彼女から「これでローマをどうか嫌わないでくださいね。移民の問題は根深く、スリをしなくては生きていけないロマの人たちの存在も事実。」と短い時間だったが話してくれる。
これからイタリア旅行をお考えの皆さん、どうか電車乗車時も十分ご注意ください。
因みに彼の買い替えたバッグは、被せの蓋にはベルト付きで面倒にも開け閉めの一手間。
蓋を開けても内にファスナーがありすぐには開けられない。それでも、そのドタバタ騒ぎの後にバッグを見ると、ファスナーが途中まで開けられていたとのこと。
寧ろ、初日にスリ集団に遭遇し気が引き締まったことは確か。ローマ人の彼女に助けられたお陰で、始まったばかりの旅行はその後は基本的には災難に見舞われることはなく、イタリアの印象に傷が付くことはなかった。
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