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Vol. 4 与論島~レンタサイクル2
本の裏表紙に印刷されたような冒険地図にも似たホテルフロントで手渡された観光案内地図で無謀にも繰り出したわたしたち。頭の片隅では「海岸線に沿って走る」のだもの問題はないでしょうと既に大きな誤解があった。
島の中心部を抜けると早くも目標物が危うい。まだ、バスが周遊する道路であっても大きな建造物が姿を消す。
地図にも記載無くひょっこり現れたきび酢の壺ら。この静かな場所で太陽の下酢は眠っているのだと、製造場所を見られたことは大きな収穫。
今回、ホテルのお土産屋さんできび酢を購入したことだけがきっかけというよりもこの風景を見て食生活にきび酢が入るようになった。看板には工場の文字が見えるが規模はとても小さい。残念ながら私たちは工場のお休みにあたりフェンス向こうには入ることが出来なかった。
確かに地図には海岸線に沿って特に「眼鏡マーク」が多かったが手渡された時は此処が映画「めがね」のロケ地であることに気が付かなかった。
小さな島では車と違い駐輪場探しに苦労は不要。一応、通行の妨げにならない場所を探し海岸へ降りる。降りながら映画のシーンが鮮やかに目前の風景とずれることなく被さっていく。
曇り空であっても海の色は明るく、サンゴ礁の島である浜はどこまでも白くきれい。念のためビニールシートは持参していたのでパートナーはそそくさと顔に帽子を被り横になった。
海岸には地元の人であろうお弁当持参の母親と男の子が先客あり、しばらくしてわたしたちと同じ観光で訪れている女性が一人現れたが彼女は長居しなかった。
まさか最初の浜に掴まってしまうなど考えてもいず…、持参したのはビニールシートと飲み物だけ。「コンビニでサンドイッチか何か買ってくるよ」という世界(場所)ではない。それでも、あまりの心地良さに約二時間居てしまった。
後で調べたところ、この場所は島の中では風水的に良い気が入る入口だったそう。日頃風水を信じているわけではないが、それは否定はできないかもと納得させる場所ではあった。
お隣の浜まで行ったところで空模様も怪しくなり、島の半分も探索しないままに急ぎホテルへ引き返す展開となる。
泳ぐこともダイビングも興味がない人にとっては海水温度は関係がない。
こうした静かなオフシーズンに島を訪れる方が寛ぎの手助けを得られる。