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13.Evoraへ移動

 地下鉄を利用して黄Line「Picoas」から「Saldanha」へ一駅乗車。此処で赤Lineに乗り換え、地下鉄が鉄道駅に接続していることからサンタ・アポローニャ駅ではなく「Oriente」オリエンテ駅を使って次の目的地Evoraへ向かうことにした。

 地下鉄構内壁画は日本と違い広告が抑制されている為デザイン性が尚の事際立ち、タイルが好きな私は行く先々で写真に収めることになる。取り立てて特徴も無い小さな駅のPicoasでさえ、レールを挟んでこの二枚の壁画が目を楽しませてくれた。

 日本で見るコンクリート打ち放し建造物は只でさえその姿が美しくない上に、気候的な多湿の影響で時間を追う毎に醜くなる。リスボア市内のビルの多くはきれいなタイルで化粧されていた為かこの駅のコンクリートとガラスの建築は対照的に近代的に映った。加えて写真で見るようにゴミもなく構内はきれいだ。
 このポルトガル旅行で決定的にimageを修正させられたのは、大航海時代の繁栄の後「没落」し貧しい国になったのではないこと。ゆっくりとした生活の中に必要とするだけの近代的な要素を取り込んでいる。東京の様にどこまで先へ先へと走り続け変化することを択んではいない。この日利用する鉄道も後日の長距離バスの指定も予め日本でネット予約したものだ。

 ヨーロッパに来たことを実感することの一つにホームから車内へのステップにかなりの段差があること。ポーターにお願いしない限り重いスーツケースを一人で持ち上げて乗車するのは女性にとっては厳しい。
 此処から約1時間40分の移動となる。サン・ジョルジュ城から見た「4月25日橋」を渡って内陸へと向かう。時間の経過毎にオリーブの木が沿線に増え、又、松の樹形が日本とは全く違うことに驚きながら、田舎へと長閑な風景に変わっていくのを飽きることなく眺める小旅行。


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