一週間かけて鳥取を訪ねる:②山陰海岸ジオパークの中の浦富海岸
山陰海岸ジオパークのエリアはその名前の通り県境を越え「京都府(京丹後市)、兵庫県(豊岡市・香美町・新温泉町)、鳥取県(岩美町・鳥取市)」に展開する。
このジオパークでは、遠い昔まだ日本列島が大陸の一部であった時代から日本海が成立し現在に至るまでの自然の歴史が岩石や地層に残されているところを見ることができる。
鳥取砂丘エリア・浦富海岸エリア・岩井温泉・横尾棚田・雨滝と見どころはあるが、私たちは時間の制約上すべてに足を運ぶことは出来なかった。
浦富海岸は鳥取県岩美郡岩美町に位置するリアス海岸を特徴とし、東端は兵庫県との県境にある陸上岬(くがみみさき)から西端駟馳山(しちやま)までの15kmと海岸線は長い。
この海岸一帯に、海食や風食作用によって生まれた花崗岩の断崖・洞門・奇岩が点在している。
陸路で向かった私たちは、駐車場に車を残し356段の階段を途中木々の間から見える水尻洞門を間近で見ることを楽しみに下り海岸まで出た。
延々と続く階段は恨めしかったが、道は整備され観光用で助かる。海岸へ下る途中には展望台とトイレも設置されていた。観光者ばかりではなく地元のグループなのだろうビーチで楽しむ人々がいた。当初人の流れが少ない場所にしては駐車している車の多さが不思議だったがこのグループの車だったようで、観光として階段ですれ違う人は残念ながら少なかった。
ハワイ島やカウアイ島で陸路では見られない地形をヘリコプター遊覧で楽しんだように、此処浦富海岸も変化に富む造形を楽しむには遊覧船の方がよい。断崖の沿道には幾つか展望台の設置はあるが駐車場という広さを伴う為立地は限定され、必ずしも見たい風景の場に展望台は位置していない。
浦富海岸は途切れ途切れに見る風景ではないように映った。
夕方も迫ってきた頃、迷っていた千貫松島を見るために港傍から始まる遊歩道を登り千貫松島展望所に向かった。
江戸時代に鳥取藩主の池田綱清が此処で舟遊びをした際、その姿の美しさに感銘し「わが庭にこの岩つきの松を移すことができた者に、禄千貫を与えよう」と言ったことから「千貫松島」と呼ぶようになった謂れがある。
浦富海岸のアイコンとも言われている千貫松島に事前チェックしていた画像が重なり勝手に期待値を上げていた。千貫松島を見るために作られた展望所に辿り着いたが、すぐさま目の前にある千貫松島を二人して認知できなかった、「多分、形状的にアレよね?」と消去法的に確認。
ホテルに戻って確認すると確かに高さ10mとはあった...。
現代のように高層建築が林立する時代とは異なる江戸時代では十分に心を引き寄せる場ではあったのだろう。加えて、城主のように舟遊びではなく対岸から見たことも期待を下回った原因に違いない。少なくとも千貫松島は高所から見下ろすのではなく、船の低い位置からその海食洞門の頂にある1本松の佇まいを楽しんでください。
参考までに:
浦富海岸島めぐり遊覧船
住所:鳥取県岩美郡岩美町大谷2182
問い合わせ:山陰松島遊覧 TEL 0857-73-1212
運航期間・時間:(遊覧船)3月~11月 9:30~15:30(1時間毎)
※7月20日~8月20日は16:00最終
(小型船)4月下旬~9月30日 9:15〜15:15(1時間毎)
(グラスボート)5月上旬~9月30日 ①11:00/②13:00料金:(遊覧船)大人1,500円 小人750円
(小型船)大人2,500円 小人1,800円
(グラスボート)大人2,000円 小学生1,000円
※団体割引あり。大人は中学生以上。幼児の料金はお問い合わせください。アクセス:
(車)中国自動車道「佐用JCT」ー鳥取自動車道「鳥取IC」ー山陰近畿自動車
道「大谷IC」から約3分
「佐用JCT」から車で約1時間30分、「鳥取IC」から車で約40分
(バス)鳥取駅バスターミナル~日交バス「岩井温泉・蕪島」行き約40分「島めぐり遊覧船のりば前」下車すぐ