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壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:④初瀬の岩脈と鬼の足跡
初瀬の岩脈は旅行計画の中で目にはしていたが、特に訪問候補にも挙げてはいなかった。しかし、壱岐への再訪問が確実ではない以上は折角だから覗いてみましょうか、という流れで鏡岳神社訪問と抱き合わせという形で案内標識に従い期待もなく海岸へ降りて行った。
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地震や津波、噴火の類は環太平洋火山帯の上に位置する国で暮らす以上避けられない。実際、関東圏に住むと震度2位では正直驚かない程慣れてはいけないのに慣れる日々。
太平洋プレートがほぼ東南東の方向から年間8cm程度 の速さで日本列島に接近していることも情報(知識)では知っていてもそれは体感も不能で知識止まり。
それが既に冷え固まった過去形の様相ではあっても目の前に現れると、素直に地球のエネルギー感が見えた、感じられた。
壱岐の高低差が少ない穏やか地でもこうした地下の動きがあったことを鮮やかに確認出来る。
所在地:壱岐市郷ノ浦町初山東触字花川1586
「壱岐島は低い丘陵性の地形をもち、その地質は大部分が玄武岩類によって構成されている。南部の海岸地帯には、玄武岩に被覆される古期の火山岩類に属する安山岩や流紋岩が露出する。初瀬~久喜間、および久喜~印通寺間の海岸地帯に分布する流紋岩は、白~灰白色を呈する黒雲母流紋岩であり、変質安山岩を被覆する。初瀬の鏡岳神社の北側では、流紋岩が露出する断崖絶壁に、幅17~18mの玄武岩の岩脈が垂直に貫入し、縁辺部には流紋岩の捕獲岩を取り込んでいる。真白な流紋岩中に、真黒な岩脈がほぼ垂直に貫入している状態は、玄武岩が割目噴出をして、地表に溶岩流として溢れ出る過程を説明することのできる貴重な地質学的資料である。」*長崎県文化財H.P.より
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壱岐のガイドブックに必ず掲載がある鬼の足跡には、此処がそうなのねという程度の感想で終わる。初瀬の岩脈と同じように自然の造形美ではあるのだがそれ以上でも以下でもない。
只、居合わせた地元の方が冬は此処には近づけないとおっしゃっていらしたが寧ろその冬の荒れた海をこの海岸から見たいとは想像した。
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以前、昇仙峡(山梨県甲府市)でこの石も名前を付けて看板なのかと呆れてしまったことがあった、因みに豆腐に見立てた石もあって。
全国至る所に名前を付けられた岩や石は無数にある。私自身は、だから何なのかしらという世界である。
上の写真も遠く水平線と海の青にアクセントを入れて撮った結果であって、今頃この岩に名前がついていたことを知った。そういう訳で微笑むゴリラは写真中央には位置していない。