私の仕事
愛がない前提の上で行なわれる行為。
愛がないという前提があるからこそ、そこに愛のかけらをつい探してしまう。
砂漠で水を求めるように。
それは時に僅かな声の変化であったり、微かに握り返す手だったり、目が合った瞬間だったりする。
乾いた心だからこそ微かな水脈の気配を感じられる。
そして奇跡的にもつながった糸はとても細く、細いからこそ強くなる。
恋人同士や夫婦の太い糸のような安心から生まれる甘えはそこには存在しない。
砂漠の小さなオアシスは、いつでも飲める水道水ではない。
そして、そのオアシスはいつも蜃気楼の如く消えていく。
今日もまた魂の放出と共にそこにあったはずの愛は幻想に変わる。
それが私の仕事。
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