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実はお金がかからない

内シャントを設置した血管も随分成長したようで、腕を触ると静脈がぷりぷりしています。今まで医師や看護婦でもわかりにくかった自分の静脈が今すっげーわかるぅーとテンションが地味に上がります。透析カウントダウンはとうに始まっていますが、今の所はまだ現状維持です。


手術が決まった去年の年末、ソーシャルワーカーさんとの面談がありました。透析開始後の「医療費補助制度」についてです。

人工透析(血液透析)というのは何も補助を受けず普通に受けると月に40万円ほどかかるそうです。まあそりゃそうです。でっかい機械で身体中の血をごっそり入れ替えるような治療を週3回欠かさずやるわけですから。限度額認定証を使っても私だと月8万程度になりますから、これが毎月となれば懐に大打撃です。

ですが、充実した公的助成制度があり、そのおかげでお金の心配はいらないらしいのです。ソーシャルワーカーさんが説明してくれたのは、以下の3点。

・特定疾病療養受領証
・身体障害者手帳
・障害年金

障害年金については過去に散々書いていますので割愛するとして。

特定疾病療養受領証は、交付されると対象の疾病に関する医療費自己負担額上限が月1万円になります。そのくらいなら今とあまり変わりません。

そして、身体障害者手帳は今4級を持っていますが、透析が開始されると1級が取れます。1級の特典はいろいろありますが、そのひとつに「重度心身障害者医療費助成制度」というものがあり、申し込むと医療費自己負担額が0円になります。って、えっ、0円すか? まじで? びっくりです。

そして、んっ? となります。

特定疾病療養受領証で自己負担1万円。

重度心身障害者医療費助成制度で、自己負担0円。


これ、特定疾病療養受領証いらなくない?

だってどのみち0円でしょ?


これ、おそらくですが、やろうと思えば重度心身障害者医療費助成制度だけで自己負担額は0円になると思うのです。そして、おそらく自治体から「いや特定疾病療養受領証も使えよ」と指摘が入るのではないかと思うのです。

財源が違うのです。重度心身障害者医療費助成制度は自治体から、特定疾病療養受領証は健康保険からお金が出ます。健康保険が社保なら自治体にとっては出て行くお金が40倍違います。現に、私の住んでいる自治体のホームページには「国の公費負担医療制度(医療保険制度)の優先使用を定めています」とあります。他に制度があるならまずそっち使えよオラァ、ということでしょうきっと。

ちなみに、特定疾病療養受領証の「特定疾病」って何かと言いますと、「人工透析が必要な腎不全」「血友病」「薬害エイズ」の3個だったりします。この3個の病気の共通点は「高価な対症療法を一生やり続けなければいけない」ということかなと思いますがどうでしょう。


しかし、40万円が0円になるのは驚きです。もうちょい負担してもええんやで感があります。ですが知ってしまった以上はフル活用することになりますから、透析が始まると税金や健康保険の金をざっぱざっぱと湯水のように使う生活が始まります。まあ私のような基礎疾患持ちが今流行りの新型コロナちゃんでコロッと逝く層なので、そういうことで勘弁してほしいなあと思いつつ手洗いに励んでいる、そんな今日この頃です。

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