Day 2 - a film you like that starts with the first letter of your name.
Day 2 - a film you like that starts with the first letter of your name.
Almost Famous(あの頃、ペニーレインと)2000年
アカデミー賞脚本賞受賞作品、Cameron Crowe監督作品。
彼自身16歳でローリングストーン誌の記者となり、多くのアーティストと交流する中での実体験を元に描かれた、ロックバンドとそれを取り巻く人間模様の物語だ。
主人公のウィリアムは”厳格な”大学教授のシングルマザーの元育てられ、姉は母との折り合いが悪く早々に家出。姉の残したレコードと、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる実在した音楽ライター、レスター・バングスと出逢い本格的に音楽ライターとしての道を歩み始める。Black Sabbathのライブの日、彼は「Stillwater」という人気急上昇中のバンドと出逢う。そして、同日同所、日本で言うところの所謂「バンギャル」であるケイト・ハドソン演じるペニー・レインとの出逢い。一目惚れしたものの、ペニー・レインはStillwaterのギタリスト、ラッセルと付き合い始める。
どこの世界にもグルーピーは存在するもので、まぁ我々の世代でいうところの矢沢あいの「NANA」、大槻ケンヂの「ロッキン・ホース・バレリーナ」等々。学生時代に耽読した作品を思い出してしまった。そしてバンドマンに恋をすると、高確率で悲惨な末路を辿るというセオリーも全世界共通のようだ。
「バンドには本気にならないの、傷付いて楽しめないから」と豪語するものの、次第にラッセルに本気になってしまうペニー・レイン。中盤、自分がポーカーでビールと引き換えの景品にされたとウィリアムから聞いた彼女が、涙を堪えて笑いながら、「What kind of beer?」と返すシーンは何度見てもこみ上げてくるものがある。再三再四周りが「目を覚ませ」と伝えたところでどうにもならないのが恋だし、若さ所以なんだろうけれど、切ない。間違いなくこの物語の主人公はウィリアムなんだけれど、ラッセルとペニー・レインのどうしようもない恋物語に胸を痛めてしまった。
物語も終盤、サファイアが、避妊もせず軽々とバンドマンと寝ちゃう若いグルーピー達を尻目に、ラッセルに告げる言葉が、この世界を生きてきた女性のすべてを語っていると思う。
"They don't even know what it is to be a fan. Y'know? To truly love some silly little piece of music, or some band, so much that it hurts."
(彼女たちは本当の「ファン」になるってこと全然わかってない。馬鹿馬鹿しい音楽や、バンドを心底好きになるって、すっごくすっごく傷付くって事よ。)
音楽に熱狂し、バンドを追っかけてきた人なら、きっと楽しめる映画だろう。