あのとき諦めなくてよかった!
#わたしの転職体験
※いつもとは違う 常体 で思いつくままに書きました※
私は、とある田舎でうまれた。
高校卒業後すぐに地元で就職し、2回目の転職で上京した。
転職理由は「経理になりたいから」。
地元では見つからなかった。
求人票には「四大卒以上」「要運転免許(AT限定不可)」が並ぶ。
私はどちらの条件も満たせなかったのだ。
田舎にはそもそも経理の募集がほとんどない。
その上、募集をすれば応募が殺到する。
企業側もハードルを上げるしかないとわかっていた。
元々地元にそれほど愛着もない。
ある程度の資金が貯まったところで上京した。
簿記2級には合格していたし、地元で少しは経理に携わっている。
でもハローワークの相談員には鼻で笑われた。
「そのくらいじゃ経理の経験とは言えないよ」
「簿記2級があっても未経験じゃ難しいね」
ハローワーク、派遣会社、人材紹介会社、転職サイトといろいろ探した。
紹介予定派遣に辛うじて引っかかったが、結局は数か月で雇い止め。
英語力不要だったのに、次の募集では必須になっていた。
(フランス語訛りの英語で電話がかかってきて驚いたことを覚えている)
それはそれで仕方ないと諦めて、また転職活動を再開した。
しばらくして、とある転職サイトの応募先から面接の案内が届いた。
10年以上前のことなら、もう時効だろう。
そこは、とある神社が有名な町の小さな印刷所だった。
ひとりで経理を担当していた女性の定年が近く、後継者を探していた。
募集内容は確か、経理を含めたバックオフィス業務すべてだったと思う。
書類選考に初めて通って嬉しかった。
何の疑問も持たずに片道1時間かけて向かった。
面接場所は昔ながらの印刷所といった感じの店頭。
面接官はその経理の女性だった。
最初からとても厳しい表情だった。
「あなたね、どうして応募してきたの?」
女性は呆れたようにそう言った。
その瞬間を未だに忘れられない。
「こういう時にどういう処理をするかわかる?」
「こういうことをひとりでやるのよ?」
「ああいうこともこういうこともするけど、あなたにできるの?」
あれこれ質問されて必死で答えたが、途中から声が出なくなった。
それでも続く女性の言葉は、まるで説教だ。
頭が真っ白になって、泣きそうになった。
「もう帰っていいですよ。お願いするときは連絡しますから」
最後にそんなことを言われた気がする。
悔しくて悔しくて仕方なかった。
何のために書類選考を通したのだろう。
履歴書や職務経歴書は当然正直に書いた。
応募するからには、要件は満たしていたはずだ。
(小心者なので、満たしてないけどまぁいいやでは応募できない)
経験不足なことは最初からわかっていたのではないか。
電車で片道1時間は、気軽に呼びつけられるような距離なのだろうか。
これを最後に、経理になることは諦めようと思った。
その頃まだ派遣をしており、上司(人事権はない)に状況を聞かれた。
もう諦めると答えたところ、返ってきたのは前向きな言葉だった。
「まだ試してないことがあるんじゃない?」
「〇〇とか、××とか、やってみた?」
はっとした。
ハローワーク、派遣会社、人材紹介会社、転職サイトは全滅。
それでもまだやれることはあった。
教えられた方法をいくつか試して、もう後がないと思った最後。
10年以上勤めることになる、スタートアップ企業と出会った。
タイミングが良かったとしか言えない。
ほんの数日早く諦めていたら見つからなかった。
無理だろうと思っていた媒体で偶然見つけ、応募してみたら通ったのだ。
(経緯は少々端折っている)
そこでは経理だけではない。
スタートアップ企業で必要だと思われることはなんでもやった。
バックオフィス業務をひとりで担当した。
数年前からリモートワークも始まり、新しい働き方も経験した。
それが今“オンラインアシスタント”に繋がっている。
本当にあのとき諦めなくてよかった!
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