痛くない乳がん検診を受けた
このほど「無痛MRI乳がん検診」を受けてきたので、体験を記しておきたい。
お年頃の女性、そのパートナーの男性やご家族の方にも参考になれば幸いである。
【注】
note作成者はASD(自閉スペクトラム症)です。
本人の特性として、
「自分が知っていることは相手も知っている」ように考えてしまい、説明が不十分であることが多々あります。
また、医学的な説明については責任が持てないため、あえて主観を中心に書いたつもりでおります。
以下の拙文をお読み頂いて、乳がん検診に興味を持ってくださった方におかれましては
医師にご相談の上、十分な説明を受けられますようお願いします。
目次
1.乳がん検診を受けようと思ったきっかけ
2.無痛MRI乳がん検診を選んだ理由
3.申し込みから受診まで
4.検査当日
5.検査を終えて
1.乳がん検診を受けようと思ったきっかけ
わたしは以前、福利厚生で一般検診を受けることができていた時期がある。
その中に、乳がん検診や子宮がん検診といった、女性特有の項目もあって、ありがたいことにオプション料金等の加算なく受けることができていた。
ただ、その福利厚生がなくなって今年で5年、乳がん検診を受けていない。
両親の片方が実際にがんを経験しているのと、そちら側の祖父ががんで亡くなっていることから、
そろそろ全額自己負担であっても検診を受けておかなければなあと思った次第である。
2.無痛MRI乳がん検診を選んだ理由
「痛くなくて精度が高いらしいから」である。
マンモグラフィーはとにかく痛い。
今までわたしに検査をして下さった技師さんたちには本当に申し訳ないのだが、「もうちょっと手加減できない?」と言いたくなるほど痛い。
もちろん痛いのには理由がある。乳房をなるべく平らにつぶさないと、がんが映らないからだ。
「マンモグラフィー」で検索するとイラストなどが出てくるが、平らにつぶした乳房をさらに上から挟まれる。
男性には分かりにくいと思うが、腕や脚などの柔らかい部分を強くつねられていると想像してほしい。
ものすごく痛い。技師さんが乳房を必死に整えてくださっている間も、上から挟まれている間も、「ぎゃあああ痛い痛い痛い」と騒いでしまった(ごめんなさい)。
一方、超音波(エコー)は痛くはない。
わたしも、選択できる時は絶対にエコーを選んでいた。
ただ、超音波(エコー)では見つかりづらい病変もあるということで、マンモグラフィーとの併用が望ましいと言われている。
「痛い検査を忌避していたので、がんの発見が遅れました」ではダメだよなあとは思っていた。
しかし嫌なのは事実なので、どうにかして痛くない乳がん検診を受けられないか、と考えてもいたのである。
そんな折、新聞で無痛MRI乳がん検診の記事を読んだ。「えっ痛くないの?受ける受ける」と前のめりになり、インターネットでも詳しく調べてみた。
そもそもMRIとは、乳がん検診に限ったものではなく、筒状の機械に入って電磁波により撮影を行う検査方法である。
10年以上前に、全くの別件でMRIの経験があるわたしは、「ああ、あの酸素カプセルみたいなやつね」と想像がついた。
また、検査によっては造影剤を注射することもあるそうだが、こちらの方策だとそれもない。本当に全く痛みがなく受けられる乳がん検診だという。
幸い、わたしはタトゥーもアートメイクも施していない。
体内に金属も入っていないし、閉所恐怖症でもないし、数十分程度の検査の間なら騒音にも耐えられる。
検査機器のある病院は少し遠いが、行って行けない場所ではない。
もう受けるしかない!と思ったのだが、検査費用の高額さには少し躊躇った。
病院によって異なるのだが、およそ2万円〜3万円かかるのだ。
参考までに、わたしの地域で「乳がん検診」と検索してトップに出てきた病院だと、マンモグラフィーと超音波(エコー)両方受けても1万円程度である。
高いなあ、どうしようかなあ、と悩んだが、結局は「検査精度の高さ」で受診することを決意した。
「痛いけど早期発見できる」ことが強みのマンモグラフィーは、レントゲンである。
がんが白く映るのだが、乳房の中にある乳腺も白く映るので、そのせいでがんが見つからないこともあるという。
一方、MRIではがんは黒く映るので、乳腺に邪魔されることなく見つけやすいとのことなのだ。webサイトには2枚を比較した画像も載っていた。
もちろん、「どんな早期の異変も必ず見つける」というわけではなかろうが、乳腺に邪魔されないのはメリットだと考え、わたしは無痛MRI乳がん検診を決めた。
3.申し込みから受診まで
「乳がん検診 痛くない」で検索すると、無痛MRI乳がん検診のwebサイトが出てくる。
そこで、受診できる全国の病院が探せるので、わたしは単純に最寄りの病院に申し込みをした。
後日、問診票などの書類が送られてくるので記入する。検査の注意事項をよく読み、あとは受診の日を待つだけだ。
注意事項はごく一般的なMRIと同じで、刺青・タトゥー・アートメイク、体内に金属が入っていると受けられない可能性があること等である。
また、検査前日までに何とかできるであろうことは、マニキュアを落とすこと。
当日の服装としては、検査着に着替えるので脱ぎ着しやすい上衣で行くことと、コンタクトをしている場合は外す必要があるのでメガネを持参する。
化粧はNGである。日焼け止めもいけないし、制汗スプレーや整髪料も不可だそうなので、特に夏季に受診する人は気をつけてほしい。
4.検査当日
必要書類と保険証、現金を忘れずに。
(わたしの受診した病院ではクレジット支払い可能との案内があったが、何かの不備で使えない事態もあり得る)
脱ぎ着しやすい上衣ということだが、着替えやすければそれでいいと思う。わたしは、首元が広くゆったりしたTシャツにスポーツスパッツという、ヨガスタイルで行った。
検査の際の着替えは上衣だけだったが、「ズボンには金属ありませんか?」と聞かれた。
スパッツなのでよかったのだが、もしファスナーのついたジーンズとかだったらどうなっていたのかはわからない。
この検査では、MRIの機械にうつぶせになって入る。
寝台の胸部分に穴が空いているので、そこに乳房を入れてうつぶせになるわけだ。
検査中は大きな音がするので、それを和らげるためにヘッドホンを装着する。
ヘッドホンからは、歯科医院の待合室などで流されがちなオルゴールの音楽が流れていたが、それをかき消す轟音がする。
ガンガンゴンゴンと、工事のような音や、ビーッという警告のような音や、ピピピピというアラームのような音や、まあ様々な音が鳴る。
まあまあうるさいが、15〜20分程度なので我慢できる程度だと思う。
MRIは筒状の機械なのだが、うつぶせになって目を閉じると、特に筒の中に閉じ込められた感はなかった。
ヘッドホンの音楽と、それをかき消す轟音の中でも、わたしはウトウトしてしまった。そのうちに検査は終わった。
着てきた服に着替えて会計を済ませ、「検査結果は後日郵送します」とのことで病院を出た。
滞在時間はぴったり1時間だった。
事前に送られてきた問診票などを漏れなく記入し、アクセサリー類は全く着けずに来院し、スムーズに着替えたとはいえ、早くて驚いた。
これは、「書類忘れちゃいました」「使い捨てじゃないコンタクトつけてて、保存容器は持っていません」「外しにくいピアスしてます」「何枚も重ね着してます」という条件だと当然異なってくると思う。
5.検査を終えて
うわぁー、乳がん検診なのに本当に痛くなかった!
というのが1番である。
早く、何事もないという結果が届くといいなぁと思っている。
ただし、やはり料金は高額であった。
わたしは「何年も検診を受けていないこと」「とにかく痛いのが嫌」「精度が高いらしい」という複合的な理由があったので、ある程度は納得しているが
それでも高額だなあと思う。
そう何回も受けられないと感じる。
マンモグラフィーは痛いけど、年に1回くらい我慢できる程度だなあという方には、何度も受けられるからそちらの方がいいかもしれない。
散々「とにかく痛い」と脅してしまったが、まだ乳がん検診を1度も受けたことのない方は、まずマンモグラフィーか超音波(エコー)を受けてみることもおすすめしたい。
その上で、「やっぱりマンモグラフィーは痛くて嫌」「レントゲンなので被ばくも気になる」といった方には、無痛MRI乳がん検診の選択肢も覚えておいていただければと思う。