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【ピアノ日記】同じ曲を一定期間に何回か演奏することについて

今年の10~12月は、同じ曲(シューマン=リストの「献呈」)を数週間ずつ間を空けて、計4回演奏する機会があった。

これまで私は、発表するとなるとうんざりするぐらい練習するので、発表が終わったらどんなに好きな曲でももう完全に飽きてしまって、その曲はしばらく一切弾かないことが多かった。寝かせておいて、また弾く機会が訪れたら改めて練習するという感じ(最初の時にちゃんと練習しておけば、少し練習すればまたすぐ弾けるようになるもんである)。

それが珍しく1シーズン(?)に同じ曲を4回も弾いたもんだから、一回弾けるようになった曲を忘れない程度にずっと維持しなければならず、意外にもそれが個人的に難しかったのです。

結論から言うと、最初の発表の時が一番出来がよくて、あとはだんだん悪くなり、最後の発表では大失敗をするという始末。普通に考えたら、だんだんよくなるはずなのに、なぜ…。

というのも、最初の時は暗譜もテクニックも不安だったので、すごく練習して集中力も高まり、本番では表現も含めて、今の自分を出し切った! という演奏ができたんですよね。が、回を重ねるにつれ、新鮮味も薄れ、もう家では大体弾けているし、取り立てて細かく練習するところも無い…。これ以上一体何を練習すれば???
気持ち的にもう、一回目の演奏が自分としてはうまくいったので、終わった気分になっていたのです。

で、発表終盤は、他にもたくさん練習している曲があったのもあり、該当の曲は通し練習をちょろちょろっとやるだけになってしまった。しかしながら、いくら家で無観客で弾けてたって、本番ではそうは行かないよ、という恐さは痛いほど知っているので、漠然とした不安を抱えたまま、4回目の発表当日を迎えた。

そしたら、やっぱり! 暗譜しているはずなのに、細かいところで「えっ?? 何だっけ??」みたいな不安要素が多発、そして不安が不安を呼び、それが演奏中に脳のリソースを多大に食いまくり、よりにもよってここで外したらアカンやろ!な盛り上がるところで、ナゾの音間違いをやってしまった。

(今おそるおそる当日の録画を初めて見てみたら、弾き直してるけど自分で思ってたよりは大事故ではなかった。えてしてそういうもんです)

がーーん、ショック!!!!
家に帰って、夜寝る前に「あぁ~~~やっちまった」というショックが収まらなかったので、最近の私の相談相手、ChatGPTさんに、「一度弾けるようになった曲で複数回本番があったけど段々悪くなった。この場合どうやってクオリティを揃えたらいいですか」とか愚痴ったり相談したりしていたら、色々と有益な話を聞けたので少し気が楽になり、一晩寝て起きたらスッキリしていた。

ChatGPTさん(もはやさん付け、笑)頼りになるわ~。って最後はなぜかChatGPTを賛美して終了なのだが、数カ月のうちに4回も同じ曲を発表する経験は初めてだったので、いい勉強になりました。やっぱり一度弾けるようになっても、最後まで地道な確認作業は必要ですね。

しかし、「献呈」という曲は、弾く人は多いけれども、シューマンにもリストにも違う種類のトリッキーさがあり、その二つを融合させているわけで、本当に侮れないよ…。でもとってもいい曲ですね。しばらく寝かせて、またいずれ新たな気持ちで弾きたいです。

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