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いろんな文字を学ぼう#2 デーヴァナーガリー

※サンスクリット語、ヒンディー語、その他デーヴァナーガリーで表記される言語を勉強するわけではありません。
※誤りを見つけたら教えてください。訂正します。

前置き(読まなくてもいい)

みなさんこんにちは、Autumnです。
「ウルドゥー語に近い」と言われているヒンディー語とウルドゥー語を同時に学んで遊んでみたいので、ヒンディー語で使われる文字であるデーヴァナーガリーを学んでいこうと思います。
「デーヴァナーガリー」(原語:देवनागरी)は「神聖なる都市文字」という意味だそうです。なんかすごそう。

文字システム

さて、この世には様々な文字体系がありますが、デーヴァナーガリーはどのような文字体系なのでしょうか。
実はアルファベットのような音素文字ではなく、ひらがな/カタカナのような音節文字でもなく、アブギダという文字体系に属しています。
と言ってパッとわかる人もあんまりいないと思うので、詳しく解説します。
さて、具体例を見てみましょう。
क←この文字は"ka"を表します。これだけだと音節文字に見えますが、"ki"を表すときは周りにिを付け足してकिという形にします。
このように、"-a"のついた形を基準として、周りにいろいろ付け足すことによって母音を変える文字体系と言うことです。
(ちなみに母音を変える方法が文字の回転とかでもアブギダに含まれる)
क←これは"ka"、का←これは"kā"
कि←これは"ki"、की←これは"kī"
कु←これは"ku"、कू←これは"kū"
के←これは"kē"(ヒンディー語では"e"は常に長母音)
को←これは"kō"(これもヒンディー語では常に長母音)
時々勘違いされるのですが、この文字は左から右に書かれます。
アルファベットやキリル文字と同じように、左から右に書かれます。
さて、文字システムを知ったので、具体的に字母を見ていきましょう。
無声無気音→無声有気音→有声無気音→有声有気音→鼻音の順に並んでいます。

軟口蓋音|क ख ग घ ङ

カ行/ガ行の音たちです。
क…ka
ख…kha
ग…ga
घ…gha
ङ…nga(発音記号:[ŋa]、転写:ṅa)

硬口蓋音|च छ ज झ ञ

日本語ではチャ行っぽい感じです。
実際には[t]をちょっと口の奥側で発音する感じです。
च…ca
छ…cha
ज…ja
झ…jha
ञ…ña(発音記号[ɲ])

そり舌音|ट ठ ड ढ ण

舌をそり上げて発音する音です。名の通り。
ट…ṭa
ठ…ṭha
ड…ḍa
ढ…ḍha
ण…ṇa

歯音|त थ द ध न

特に特筆すべき点もないタ/ダ行の音です。
त…ta
थ…tha
द…da
ध…dha
न…na

唇音|प फ ब भ म

प…pa
फ…pha
ब…ba
भ…bha
म…ma

その他の音たち 接近音|य र ल व

य…ya|ヤ行の音です。
र…ra|巻き舌のラ行です。
ल…la|英語の"l"と同じです。
व…va|唇歯接近音です。ちょっと摩擦が弱め。

その他の音たち 摩擦音|श ष स ह

श…śa|日本語のシャ行と同じです。
ष…ṣa|無声そり舌摩擦音です。
स…sa|普通のサ行です。
ह…ha|ハ行です。

記号とか

さて、アルファベットにアクセント記号などがあるように、デーヴァナーガリーにも記号があります。数はそう多くはないですが見ていきましょう。

्|ヴィラーマ

子音字にくっつけ、勝手についてくる母音をなくすことを表します。
例えば"क"は"ka"ですが、"क्"は"k"です。

ं|ビンドゥ

同器官的鼻音の記号です。
日本語の「ん」のように、後に来る音によって違う鼻音になります。
「せえんのせべいにあこがほとうにこにゅうした」の文章での「ん」の振る舞いとほとんど同じ感じです。
実際に発音してみるとわかりますが、全部違う位置で発音しています。

ँ|チャンドラビンドゥ

鼻母音を表します。
本来は先ほどのビンドゥと同じ感じだったそうです。
例:हूँ…[hũː]|「~である」の1人称単数形 英語の"am"

実際に使ってみよう

持論として「文字を学ぶときは文字を使い散らかす」というのがあるので、デーヴァナーガリーを使い散らかしてみましょう。
文字を使い散らかすことで記憶の定着を図るという算段です。
みなさんも適当な紙に日本語の文章でいいのでデーヴァナーガリーを使って何か書き殴りまくりましょう。
するとあら不思議、ゴミに見える自分の成長証明書の出来上がりです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
ヒンディー語やサンスクリット語などの学習に役立つことを祈っています!
それではまた!

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