食パンの耳から
私の好きなこと。
食パンの耳から食べて、最後に中のふわふわを食べること。
夕方5時、近所の家から漏れてくるお風呂の清潔な匂い。たぶん、ちびっ子たちが入るんだろうな。
冬の寒い夜や土砂降りの夜、早くふとんに潜り込んでぬくぬくすること。
IKEAのパンダのぬいぐるみが、自分のお腹にフィットするようにまるまること。
午後3時から6時の昼寝。
スーパーで、季節の食材を買うこと。
キッチンスツールに座りながら、長い時間をかけて料理をすること。
サクレレモンをキンミヤで割って飲むこと。(逆か?)
美術館へ行き、絵を見て心の中で思ったことをぶちまけること。
オーブンでお菓子を焼くこと。そして温まったオーブンの上に置いておいた濡れ布巾が、乾いてパリパリになること。
サラバ!を読むこと。
空と同化した波を見ながら散歩すること。つまり黄昏時以降。
宇多田ヒカルのgoodbye happinessをノリノリで聴くこと。(エアーパクパク人形とかやっちゃう)
コインランドリーで、大きな槽がゴロンゴロン回り続けているのを見ること。
グリルで焼いた秋刀魚の、身と内臓と大根おろしを和えて醤油をかけたやつを白米と一緒に食べること。
星新一の「ボッコちゃん」の挿絵。(真鍋博の)
Darumadrop one、つなぎゴシック、Zen Maru Gothic、パンダベーカリー。
#F64124 。
不二家のウェブサイト。スクロールするだけでこんなにワクワクするなんて…
好きな人と一緒に食べる甘いもの。
生牡蠣が口の中で弾ける瞬間。
田中65と蓬莱。
白子と日本酒がとろけていくこと。冬の醍醐味。
「ウィトゲンシュタインの愛人」の表紙。
小岩井よつば。
飼い主のことが大好きな柴犬。
クリスマスイブ、家族でご馳走を食べ、ピアノを披露し、ゲームをし、次の日の朝のプレゼントにワクワクしながら眠りについたあの瞬間。
讃美歌の荘厳な響き。
人々がなんか浮かれている金曜日の夜。
セミが鳴き始めた、ラジオ体操1日目のあの朝。
くまのコールテンくんの、とれたボタンを付け替えるシーン。
まだまだ自分が好きな瞬間がこの世にはあって、
その一瞬の喜びは脳に刻まれてはいない。
でも、文字にすることで何度も呼び出せるようになる。
こんなに素敵な、自分の機嫌をとる方法は他にはない。
そして、こんなにちっぽけな幸せをとことん噛み締められる
自分が好き。