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有りで見ると有りとしか見えない、無いで見ると無いとしかみえない

多眼・複眼思考

 多様性を理解するには、同一の人たちで群れない、異質の中に飛び込むことと言われるように、自分の思考の中に異質を取り込んでみることを、多眼的・複眼的思考といいます。違う視点でみる、ステレオタイプを外すとも言われます。
 人は無意識に、単眼思考に陥るものです。意識して多眼・複眼でみないと
本質からずれてしまいます。

 多眼的思考(複眼的思考) 
 英語ではMultifaceted  Thinking(多面的、複眼的思考)いろんな側面から考えると言います。
 物事をとらえる際に、ある一方向だけで判断するのではなく、別の方向・ 
角度からも見つめることで、より正しい自分なりの考えを持てるようになることです。

 同じく確証バイアスが自分の中にあるという認識が必要です。

 確証バイアス 
 自分がすでにもっている先入観や仮説を肯定するため、自分にとって都合の良い情報ばかりを集める傾向のこと。認知バイアスの一種で、自分の思い込みや周囲の要因により非合理的な判断をしてしまう心理現象を言います。

 ネット社会でSNSやググる際に、自分の好みに偏った情報が検索されるエコチェンバー現象と呼ばれることが起こります。
 自動的に好みが違うと判断された情報が表示されないフィルターバブルと呼ばれる状態と呼ばれる同じことが、個人の中で確証バイアスとなってかかっているのです。

 エコチェンバー現象 
 
ソーシャルメディアを利用する際に、自分と似た興味関心を持つユーザーばかりフォローする結果、似た情報ばかりが行きかう状況を「閉じた小部屋(共鳴室)で音が反響する物理現象」に例えたもの。
 エコー(echo)    反響・共鳴
 チェンバー(Chmber)小さな部屋・空間
 フィルターバブル
 インターネット上のアルゴリズムによって分析された情報ばかりに触れている状態を、一人ひとりが「情報の泡」に包まれていると表現したもの。
 アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析して学習することで個々のユーザーにとっては望むと望まざるにかかわらず優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報から遮断(フィルター)される情報環境を指します。

 自分の見ているものが正しいとは思わない、逆もまた真かもしれないと常に考えておくことです。
逆もまた真なり(Vice versa)逆も然り|autonomy

  この記事を書いているとき、紀州の資産家が2018年覚せい剤で死亡した事件で、容疑者の元妻の裁判が無罪判決となりました。
 多くの人が有罪と思っていたのではないでしょうか。私もそう思っていました。真実は分かりませんが、この裁判で「有罪の目で見ると有罪でしか見えない、無罪の目でみると無罪でしか見えない」というのを聞きました。  「灰色をいくつ重ねても灰色でしかない」とも、裁判は感情を抜きに事実を事実のみで捉えると言いますが、日常は感情にあふれています。

バイアスは誰にでもある

 バイアスは誰にでもあります。
 まず自分にもバイアスがあると認識することが大切です。
 そのうえで、なんでこう思うんだろう。
 あの人はなんでそう考えるんだろうと問いをかけてみる。
 確証バイアスだけでなく、先入観や思い込みで間違った判断をしてしまうことをアンコンシャスバイアスと呼ばれます。

 一方で、ものごとをスピーディに効率的に処理するには、自分の過去の経験や知識をもとに行います。

 人は一瞬で「有でもない無いでもない」と見てみることができるのではないでしょうか。
 バイアスがあることを常に意識していると単眼で見ない、事実と感情を分ける、一瞬で多眼・複眼で見ることができます。

 今日も読んでいただきありがとうございました。


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