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海外クリエイターへの呼びかけ

実は「国際自動車映画祭」International Auto Film Festaは日本発の映画祭ながら、その多く90%以上は海外からの応募です。


International Auto Film Festa 2024の参加国

スペイン、ベネズエラ、ポルトガル、アメリカ、イギリス、中国(含む、香港、マカオ)、コロンビア、ブラジル、韓国、ウズベキスタン、インド、イラン、エジプト、イタリア、タイ、モロッコ、フランス、メキシコ、パキスタン、イスラエル、ドイツ、オーストラリア、インドネシア、ギリシャ、トルコ、キプロス、アルゼンチン、ハンガリー、セルビア、チュニジア、デンマーク、ルクセンブルク、バングラデシュ、サウジアラビア、台湾、アフガニスタン、カメルーン、イエメン、アルメニア、オマーン、ポーランド、スイス、モザンビーク、ヨルダン、スロバキア、ベトナム、オランダ、クウェート、ウガンダ、イラク、オーストリア、マレーシア、モロッコ、日本、チリ、ネパール、ザンビア、スリランカ、プエルトリコ、カナダ、ジンバブエ、ルワンダ、カザフスタン、ロシア、南アフリカ。合計65カ国。

応募順で羅列しているのですが、文化も言語も異なる国々からの映像を通して、それぞれの自動車との付き合い方が見えてきます。

参加国としては中東も多いのですが、作品数で言えばヨーロッパやアジアの応募が多い印象です。
日本に近い国々、アジア圏にも知っているようで知らない自動車文化があり、作品を眺めているだけでも本当に面白い。
個人的に行ったことのない国々の作品を鑑賞していると、旅行よりも一歩踏み込んだ、海外移住の体験をしている楽しささえ感じます。

そんな鑑賞をして湧いてくるのは、もっと多くの視聴者や映画ファンにも、この体験をしてもらいたいという気持ちと、今後もっと幅広い作品が集まって欲しいという気持ちです。

どうやって海外へ呼びかけているの?

こうしたデータや話をした時に、一番聞かれる質問は「どうやって海外の作品を集めたのか」です。

一番効果が大きいと感じているのはメールでの呼びかけです。

世界中の「自動車」関連の映像制作実績のある制作会社をチェックし、メールで『自動車の映画祭を立ち上げたので応募してみませんか?』と呼びかけました。
その数としては約1,000件くらい。英語圏で無い国々もあるけれど、基本的には英語で連絡をしています。

その反応は思ったより多く、「今は応募できる作品が無いけど、友達にメール転送しておくよ」とか、「面白そうだから応募するよ」という返信を受けることが多いです。
実際に「友達から聞いて応募してみたよ」なんて応募もあります。

そうした各国の方々との直のコミュニケーションは映画祭運営のモチベーションにも繋がっていると思います。本当に楽しい。
その結果が今回は65カ国、478件の作品応募に繋がりました。

応募方法としては、公式サイトからの直接応募と、映画祭への応募が可能なサービス「FilmFreeway」と、「festhome」経由の3通りを用意しています。
2つのサービス経由の応募も多く、これらが上手く稼動していると感じています。

日本の作品数も増やしたい。

本音を言えばもっと日本の作品にも参加してもらいたいけれども、自然に周知されるまで、今は焦らない方が良いと考えています。
現在は世界的にも日本へ興味が向いているタイミングだからこそ、海外の動向を大切にしたいと考えていますが、日本語でも発信していることもあり、いずれは作品数の割合が逆転する可能性もあると思っています。

応募された作品を見ると、個人制作の作品であっても日本の作品のクオリティは正直低くないと思っています。
撮影の工夫やオリジナリティ、グレーティング、そして編集のテンポ。それぞれが優れている作品が多い。

実際にノミネートされた作品を見ても、国際視点でも映像の評価は同じだと思います。撮影素材と色、テンポ。これらの優れた作品がノミネート作品として残っている事を見れば、それらが重要なことと理解して頂けると思います。

日本の広告映像が抱えるハードル。

日本のクリエイターにもっとチャレンジしてほしいし。世界でも通用することに自信を持ってほしい。ただし、その一方で応募がしにくいハードルがあることも実感しています。

自動車の映像にはクライアントワークが多いという事実。
つまり広告作品が多い。

日本の広告はひとつの作品に関わる人が多い上に、演者、撮影、音楽、編集、監督と、権利をそれぞれが持っていることがあります。更に広告代理店があり、主人公となるクライアントがある。
なので、こうした映画祭に応募する際に、関係者全員の同意を得るのが困難になる。という内情があります。

海外では制作会社が映像作品に関する権利を所有することが一般らしく、そういった面での応募のしやすさがあります。実際に2023年にはアメリカトヨタが、2024年にはアストンマーチンやマクラーレンが参加し、ノミネートされています。

そんな中、2024年に日本メーカーであるスバルが広告作品で応募参加してくれました。ノミネート作品にも選ばれています。
今回は広告代理店の担当者名での応募でしたが、話を伺うとクライアントの理解が得られたことで実現出来たということでした。
もちろん、もっと複雑なやりとりを経ての応募だったと思いますが、実際に行動し、可能性を見せて頂いたことを大変嬉しく思います。

海外の方々との連携で得る可能性。

単純に海外からの応募が多いことは、それだけ海外で目に触れる機会は増えていると言うことが出来ると思います。

国内外限らず、個人での作品が制作会社さんとのコラボに繋がる可能性があると感じていますし、いつかは具体的に制作に繋げる結果を得られると良いなと考えています。

今回の受賞作品の発表と授賞式を行った際に、イタリア大使館の方とポルトガル大使館の方にお越しいただきました。
それをキッカケに、映画祭に対するご協力のお約束を頂くことができました。具体的にはこれからですが、大切に次回に繋げたいと考えています。

そうした状況を経て、結果的に今は海外作品が強い波のタイミングなのだと思っています。多くの欲を一度に詰め込むのではなく、まずは、今ある出会いと繋がりを大切にしていきたいと思います。

出来るだけ多くの方々に応援してもらえると嬉しいです。
International Auto Film Festa (Official Site)


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