見出し画像

Radio Activity #1 "Long Live Tech'n'roll"

はじめまして。テクノにまつわるツイートの補足をさせていただきたく筆を執りました。


音楽ジャンル「テクノロジーミュージック」を仮置する。テクノ、ハウス、エレクトロ、エレクトロニカ他~ニカシリーズ、さまざまなダンスミュージックその他もろもろをの「そういう感じの音楽」を広義でひとまとめにする。


# カシユカ荘殺人事件

「テクノロジーミュージック」ではなく「テクノ」が使えないのは、「テクノ」が「そういう感じの音楽の総称」を表すか表さないかでタビタビ炎上するからだ。すなわち広義の「テクノ」に「ハウス」が包含されるか、テクノとハウスは排他的なのかで骨肉の争いが起きる。平成の犯罪史上もっとも凄惨で謎に満ちたカシユカ荘で起きた連続殺人事件は、そんなジャンル争いが火種になったという。S教授と3名の女性を殺害して別荘に火を放った犯人は未だ尻尾も掴まれていない。

画像1

※ Perfume、新曲「再生」が『屍人荘の殺人』主題歌に 主演・神木隆之介「やばいやばい!」


# ニカ騒動

「2ちゃんねる」(5ではなかった頃)の音楽板で、あるレスが言った「アコースティック楽器のサンプリングが入ったら『エレクトロニカ』だ」と。わたしは驚きました。音楽があるジャンルに属する必要条件が音色であることに。

426 名前:名無しさん@涙目です。(広島県) :2011/09/27(火) 16:59:13.40
>>391
テクノとニカの違いがわからん
808使ってりゃテクノなの?

445 名前:名無しさん@涙目です。(東京都) :2011/09/27(火) 17:04:45.69
エレクトロニカは生楽器のサンプリングが入ってるものだと理解してるけど

ここで「エレクトロニカ」で動画を検索して上位に出てくる音楽を聴いてみよう。

↑入ってる。冒頭からアコギだ。

↑入ってる。冒頭からシャカシャカとシェイカー的な音がする。

↑入ってる。アコギだ。ってか弾いちゃってるよ!弾いちゃってるからサンプリングじゃないもんって話ならば、弦楽器をサンプリングしたのをシンセが弾いているのでこれは【アコースティック楽器のサンプリング】に該当する。

というわけで、たしかにアコースティック楽器の音楽が含まれている。

では、「テクノ」と「ニカ」が排他的なジャンルとする世界観における【「ニカ」じゃないほう】=「テクノ」も同様に確認してみよう。

なるほど……!!アコースティック楽器が鳴っていない。

こうしてこの世からアコースティック楽器を消し去ればニカに勝てると天啓を得た!などと匿名の「アンチ・ニカ派」が吹聴したネタがなぜか全国規模の民衆暴動へ発展し、各地の楽器屋が焼き討ちの被害にあった。しかしインターネットの普及により検証が進み「そういう問題でもない」「テクノでもアコースティック楽器のサンプリング使いがち」と認知が広がり自然収束した。しかし一部の残党がアコースティック楽器の王者であるピアノの誕生を阻止するためタイムマシーン開発を進めているという。


# デト戦記

「ドイツ史観」の西洋音楽史が日本の教育では支配的で今でも優勢であるように(*1)、テクノロジーミュージックにおいては「デトロイト史観」が「正史」とされている。'80年代を通じてポピュラーミュージックに大きな影響を拡大したテクノロジーミュージックの「司教座」は、「テクノの源流は'70年代初頭のドイツ、クラウト・ロックにある。」と主張するプログレ教クラウトロック派を「異端」認定した。「テクノがロックから生まれた」という主張は電磁神への冒涜に他ならないというのだ。日頃から「@@な俺は異端なのか?(異端と言って欲しい)」などと厨二をこじらせていたプログレ教徒はむしろ勢いづいた。時のドイツ皇帝は自身の出仕に反してテクノ派に呼応し、自らデト派十字軍を招聘しクラウト・ロック派と長い内戦を戦うことになる(*2)。各地の琵琶法師により語り継がれていた戦記物語を編纂したのが「デト戦記」だ。

※1:アンチドイツ史観はこちら

※2:フス戦争を題材にした漫画「乙女戦争」が面白い件




# フィッシュメイソン

アコースティック楽器のサンプリングを含むことでテクノから分派したのがエレクトロニカならば、プレートリバーブをかけたレゲエがダブである。ニカ騒動の沈静化を経て平和を取り戻した電子音楽世界であったが、電気的な音響処理音楽にずけずけ踏み込む新しい音楽ダブが現れた。その隆盛に危機感を強めたテクノ諸国の民によって結成された政治団体が「ダブから国民を守る党」通称「D国党」だ。D国党を実質支配していた宗教団体「フィッシュメイソン」は建前上の政教分離を謳いながらも公職選挙に候補者を擁立し政見放送でのパフォーマンスを行った。しかし政敵"サトウの早逝により組織は活動目的を失う。


# E2-E4

レトロ時代のゲーム音楽はプログレ派が幅を利かせていた。プログレの現代音楽やロックをベースとした複雑な音楽は主に「RPGのボス曲」と相性がX-GUNでプログレ/ゲーム音楽の双方からアプローチしていろいろ聴いてみるとそういうの音楽が大好きな人には宝の山だと思われる。

ゲーム音楽オタクが好みやすい音楽(プログレ編)

https://www.nicovideo.jp/watch/sm128170

プログレッシヴなゲームミュージック集 VOL.1

https://www.nicovideo.jp/watch/sm2022761

それはさておき:

テクノ勢は司教座に働きかけプログレ教徒を異端に追いやることには成功したが(デト戦記参照)ゲーム地方では長い間、劣勢を余儀なくされていた。そこで目をつけたのが「E3」。「E3」は世界各地のゲームデベロッパーが集まる最大規模の祭典だ。テクノ派がE3に呪いをかけるべく執り行った闇の儀式が「E2-E4」だ。E3をE2-E4で挟み込みテクノ化する。オセロ理論という。E2-E4によってプログレ派をJ-RPGの一部にまで勢力を減退させ、テクノ派は音ゲーを中心に盛り返した。しかしテクノ派は見逃していた。経典「E2-E4」を生み出したのは異端の敵クラウトロック派の魔術師 MANUEL GÖTTSCHING だということを。プログレ教徒の「レコンキスタ計画」が動き出す。その顛末はデト戦記に詳しい。





以上、吐瀉物ネーム「嘔吐ちゃん」さんからのお便りでした。リクエスト曲はこちら。ではお聞きください。

Seek IronyTech N' Roll


(文字起こし 終わり)






次回予告:ロックンロール派によるオセロ理論


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?