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読みオワタメモ(2023/10/14~2024/06/22)

Kindle Unlimited レンタル冊数の上限に達してしまい、返却する前にマーカーつけといた箇所を残しておくエントリー。


『最強の教養 不確実性超入門』田渕 直也 (著)

読みオワタ。不確実な事象の特徴、人間の陥りがちな危険なバイアスその傾向と対策まで。"最強の教養"はやや伊達だけどなにげに『影響力の武器』より実践的で伊達じゃないかもしれない。不確実な領域で予想や保証してくるヤツはだいたい悪いやつ。

『図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて』を著した田渕直也の著作。

自分がそうなる確率はとても低いが、誰かがそうなる可能性はとても高い

位置: 286

株価変動の確率分布をあらためて考えてみよう。そうすると、 全体としては正規分布に形状が似ているものの、その分布の「裾」、すなわち大きな価格変動が起きるエリアでは、その発生確率の分布は先で述べたべき分布の性質を持つようになっていく

位置: 842

「世界は、ランダムである以上に不確実」

位置: 1,182

バブルに警鐘を鳴らしたりせずに、ただそのときの波に乗るというこの戦略は「音楽が鳴っている間は踊り続けよう」 という言葉でしばしば表される。

位置: 1,419

自己奉仕バイアス   人は、成功の要因を自分に求めたがる。その成功が他人や偶然のおかげだとは思わない。一方で、失敗については自分以外にその要因を求めたがる。

位置: 1,741

不確実性には、ランダム性に起因するものと、フィードバックが生み出すカオス的不確実性がある

位置: 1,836

人々による不確実性の過小評価自体が、より大きな不確実性をもたらす要因となる

位置: 1,850

つまり、 モノゴトはコンセンサスとは違う方向にこそ大きく動く性質を持っている のだ。

位置: 1,850

「最強の教養」って煽り文句は伊達じゃない。不確実な事象の特徴、それに対する人間の振る舞い(行動バイアス)の特徴……などと本書の内容を思い出して追記しようと思ったら、当時のツイートでまったく同じこと書いててワロタ。

『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語』田中靖浩

読みオワタ。中世イタリアの簿記から始まって21世紀のファイナンス理論までそれぞれの時代にどんな社会状況で問題がありいかなる会計技術が発展したのかとてもわかり易く読めた。本論と直接関係ない同時代の著名人のエピソードは蛇足だけどよい味わいあり。

建物や機械を多く用いる製造業では、それらを「原価」評価しつつ減価償却を行います。一方の金融業では固定資産が少なく、資産のほとんどは金融資産のため「時価」評価のほうが馴染みます。  製造業では「利益」こそが重要であり、それを計算する損益計算書が重視されます。これに対し金融業では利益より、時価評価された「バランスシート」のほうが重視されます。

位置: 2,478

日本で導入された事業部制には「売上・利益」だけで、バランスシートの「投資( 資産)」が評価に加えられないことが多かったのです。そのため各事業部は「売上・利益」重視の規模の経営を展開しました。好景気のときはそれでうまくいきましたが、景気が悪くなると 19 世紀末アメリカ企業のように「低価格競争」が発生します。

位置: 3,551

本当は、いっしょに読んだ『帳簿の世界史』と合わせて……

読みオワタ。『会計の~』と起点は中世イタリアで同じだけどこちらは視点がガラリと違う。前半は会計技術が王権や国家を通じて歴史に与えた影響を、終盤は複雑化した会計が金融危機に至るまでを描く。『会計の~』と合わせ技で会計を立体視できてよかった。

『帳簿の世界史』と合わせて……2冊が言及している歴史と会計技術を時系列・表形式にまとめたいなと思っていたけれど断念。めんどくさくて。あと、『帳簿…』はDMMブックスで購入しましたが、DMMブックスアプリが極めて使いづらく(モバイルでつけたマーカーがWeb/PC版に同期されない、テキストをコピペ、スクショもできない)振り返り作業が困難だったのもあり。もう二度とDMMで電子書籍は買わないぞと誓いました。

『大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス 1827) 』大栗 博司 (著)

読みオワタ。雰囲気で捉えていた相対論/量子論標準模型の限界やくりこみ理論や弦理論の次元決定メカニズムや(で登場するすごい公式 https://ja.wikipedia.org/wiki/1%2B2%2B3%2B4%2B%E2%80%A6… )や超対称性やゲージ対称性とかもう完全に理解(ワカ)っちゃったな~^^^^

超弦理論の発展は、「空間」も基礎的なものではなく、二次的な概念であることを明らかにした

位置: 2,358

私 「空間とは、どのような種類の集合なのですか」  数学者 「近いものと遠いものの区別がつくような集合です」

位置: 2,482

古代ローマの哲学者で詩人のティトゥス・ルクレティウス・カルスは、叙事詩『物の本質について』(岩波文庫)の第五巻で、さまざまなものの起源を議論しています。

位置: 2,672

科学読物ではたいてい古代ギリシャ・ローマの逸話がでてきて、人類は古代にいったん真理に到達してるのがすごい。数学や、観測・実験技術が未発展でそれを証明できなかっただけで。

『ニュースの「疑問」が、ひと目でわかる座標軸 世界の今を読み解く「政治思想マトリックス」』茂木 誠

政治思想を、X軸を経済的自由/Y軸を政治的自由にあらわしてフランス革命からトランプ米大統領政権までの世界史をざっと読み解く。教科書的でシンプルな叙述だけど四象限の図が1枚で各指導者の立ち位置が明示されると空間軸・時間軸の物語と組み合わさって明快な4次元歴史殺法がキマる。米国においては、グローバル覇権主義にかじを切ったウッドロー・ウィルソン大統領と、リベラリズムの政策的メニューをガラリと転換したフランクリン・ルーズベルトの影響力がピカピカ光る。

ところでちょうどトランプ政権がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を謀殺した事件のくだりを読んでいるときに、イスラエル軍によるシリアにあるイラン大使館の空爆事案が発生し、ハテナブックマーカーかがスワ中東戦争かと懸念に溢れる中、ちょっと賢しげなコメントをつけられてヨワ満足しました。

やったぜ衒学行為。 終章では日本の戦後思想史も自民党の結党から第2次安倍内閣までを取り上げた。派閥の立ち位置をマトリックスに配置しておおまかな政策の整理は分かりやすいけれど、実際の政治家や派閥は権力闘争の末に生じた"思想的現象"とみたほうがよさそう。そのあたりは別書にゆずりましゅ。

今日、「リベラル」という言葉は、手厚い社会保障、これを実現するための強力な政府と巨大な官僚機構(大きな政府)、重い税負担と、一人ひとりに富を平等に分配するシステムのことを指しますが、これはルーズヴェルト政権に始まるのです。

位置: 485

外交における孤立主義と、内政における「小さな政府」というアメリカの伝統。これらをひっくり返した人がいます。 20世紀初頭、民主党の第28代大統領ウッドロー・ウィルソンです。 彼はヨーロッパのゴタゴタに首を突っ込み、第一次世界大戦に参戦しました。これはアメリカ建国以来の国是をひっくり返すほどの大事件でした。

位置: 556

20 世紀初頭、民主党の第 28 代大統領ウッドロー・ウィルソンです。  彼はヨーロッパのゴタゴタに首を突っ込み、第一次世界大戦に参戦しました。これはアメリカ建国以来の国是をひっくり返すほどの大事件でした。

位置: 557

これらの政策を矢継ぎ早に打ち出した結果、リーマン・ショックで打撃を受けていた米国経済は完全に復活し、雇用統計も好転しました。

位置: 1,038

『自民党の正体 こんなに愉快な派閥抗争史』 倉山 満 (著)


前回からの続き、こちらが別書。"政治と金"の問題で、岸田がなぜか派閥解散とか人気取りウルトラQを発動しては自爆してるのを見て、ちょうどみかけた本書をチェケ。

書名は「自民党の正体」だけれど、大日本帝国議会から第1次安倍内閣までの壮大な通史。岸田は「派閥を政策集団に戻す」などとホザいていたが、本書を通じて、日本の政党・派閥は原初から現在まで一貫して派閥闘争の産物で政治思想を共にする政策集団なんて存在してない雰囲気が伝わる。ゆえに、いい風に乗ってるときは身を任せて順風満帆でも、戦前は日中関係がこじれてから敗戦まで、戦後はバブル崩壊から●●まで無能集団になってしまうのが分かり味が濃い。

戦後については、GHQのやりたい放題にめまいを感じ、自民党結党後は、派閥の抗争と、日本の三権を握る省庁(立法=内閣法制局、司法=検察庁、行政=大蔵・財務省)との協力・敵対関係が絡み合ってさらにおもしろくなる。与党も野党も財務省大政翼賛会みたいな現在の惨状を想うと中選挙区制時代は戦えていたんだと目👀からウロコ🐟。

こんご、総理総裁の名前が出てきたらどんな奴だったかしらと辞書を引く感覚で使いたく座右に置いておいてもいいかも。バーイタイバイバイ紙媒体で。

イギリスには「政策ができない人間は大臣にしない」という、見習うべき文化があります。これができる政党を、近代政党と言います。  そのようなイギリス近代政党の文化と比べると、明らかに、自民党というのは「思いやりと優しさの政党」だということがわかります。

位置: 403

私たちは中学・高校以来、近代法治国家の三権は「立法、司法、行政」であると習ってきました。立法は国会、司法は裁判所、行政は政府です。  しかし、もちろんこれは建前にすぎません。本物の三権は、立法は「内閣法制局」、司法は「検察庁」、行政は「財務省(旧・大蔵省)主計局」が握っています。この三つこそ、日本における真の権力であり、権力の元です。いかに自民党政治が互いに抹殺するまではやらないプロレスだといっても、この三つが絡んだときには「ガチの勝負(殺し合い)」になります。

位置: 443

大隈内閣がわずか四カ月で潰れてくれたことは、我が国にとって不幸中の幸いでした。ただし置き土産もあります。政党政治家が闇雲に軍事費削減を絶叫したり、軍事がわからないのに軍政をいじると安全保障が危うくなると危惧した山縣有朋は、大隈のあとに総理になると、いち早く軍部大臣現役武官制を創設したのです。

位置: 660

戦前は枢密院があったおかげで内閣法制局が今のように憲法解釈を事実上独占したり、内閣が提出する法案に対する拒否権を握ることはありませんでした。

位置: 785

憲政の常道の絶頂期、浜口雄幸内閣の井上準之助は官僚機構をすべてひれ伏させ、大デフレ緊縮政策を実行して、裁判官の減俸まで実現してしまうほどの暴虐非道の限りを尽くしました。

位置: 804

吉田は「少数与党だから不信任案を可決されてしまった。よし、解散だ」とやったので、馴れ合い解散と呼ばれました。  これ以後、総理大臣は日本国憲法七条を根拠に自由に解散できるようになっています。

位置: 1,173

自民党では派閥解消運動というものが何かの 流行病 のように、ときどき思い出したように起こるのですが、そういう現象が始まったのは、実は福田が反主流派としてやり出した活動がきっかけでした。

位置: 1,911

池田内閣までの内閣法制局の憲法解釈は、集団的自衛権も核武装も憲法九条の下で許されるというものでした。

位置: 1,995

日本の憲政史上、鈴木善幸は暗愚でも首相になれた最初の人です。『文藝春秋』が「“暗愚”の“帝王”鈴木善幸」という記事を載せたほどですから。総理大臣が単なる一大臣ポストになってしまったのです。もっとも、のちに文春は「鈴木善幸さん、あのときはすみませんでした。森喜朗のほうがアホです」と書いていますが。

位置: 2,979

このときに小沢を支えたのがアメリカと大蔵省です。当時の小沢は“アメポチ”です。そして、大蔵省では、当時の大蔵事務次官、斎藤次郎が小沢と強い絆をつくっています。  大蔵省にとって竹下は、野放図な経済政策で国家財政を壊した宿敵の田中角栄を倒した上に、大蔵省悲願の消費税導入を成し遂げてくれた、いわば「恩人」です。その竹下から離れて、なぜ大蔵省が小沢と結びついたのか。実は謎なのですが、小沢が勝つことに斎藤が賭けたことは間違いありません。

位置: 3,516

ソンジャーネ!


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