_好きなバンド10組晒すと好みがわかる

#好きなバンド10組晒すと好みがわかる

トレンドにあがっていたハッシュタグに乗っかったツイート:

- Magma
- Area
- X-legged Sally
- King Crimson
- Soft Machine
- Dream Theater
- dCprG
- jizue
- JYOCHO
- 倍音s

名前だけ挙げて音源を出さないのはフェチを開陳して画像を出さないのと同じインターネッツマナーに反する卑劣な行為なので軽く紹介がてら各バンド1音源ずつ選びます。

Youtubeの再生リスト作りました:


10選+本記事中の参考音源。

# 【Magma】Mekanik Kommandoh


'69年結成 in フランス。現在も精力的に活動中。

この音源「Mekanik Kommandoh」は2006年、35周年記念ライブ映像より。約40分怒涛のテンションで演奏される大作「Mekanik Destruktiw Kommandoh」(オリジナルは'73年)の最終局面。2019年秋の来日でも演奏されて聴きに行ったあたいは爆発四散した。'70年から現在に至るまでブレずに傑作・佳作を量産しているので何から手を出してもおすすめ。MAGMAおすすめブログは書きたい。


最も強烈なのは'75年のライブ音源だけど……何も知らずにいきなり「Kohntark」を聞かされる身になると正直シンドすぎる。


「Kohntarkosz Anteria」がMAGMAらしさと聞きやすさがちょうどいいアルバムだけどサブスクに乗ってないみたい……。


# 【Area】Luglio, Agosto, Settembre (nero)


'72年結成 in イタリア。突出したボーカリスト、Demetrio Stratos が'79年に白血病で死去して事実上の解散。不世出のボーカリストが夭逝してしまう Queen と同じパティーン。

音源「Luglio, Agosto, Settembre (nero)」は 1st アルバムの冒頭曲。地中海的なノリとプログレッシブ・ロック/ジャズ・ロックがいきなり高度でごった煮のミクスチャーな暑苦しさに圧倒される。いわばずっとこの調子。活動期間が短い分、音源も少ないのでひとまずスタジオ・アルバムを全通してほしい。

いちおうベスト盤といいつつ3枚組相当の音源があるのでこちらからどうぞ:



# 【X-legged Sally】eddies + dum dum


'90年結成 in ベルギー。アヴァンギャルド系ジャズ/ロック/ファンクグループ。音源は 2nd アルバム「Killed By Charity」の冒頭2曲のライブ映像。カッコイイ!

最初の2枚のアルバム「Slow Up」と「Killed By Charity」は聞いておきたい。音楽性方向性さまざまな秀才たちが大所帯で組んだバンドの宿命でその後にバラバラに解散。アヴァンギャルド派ギタリスト Pierre Vervloesem の活動、および Jazz派によるグループ Flat Earth Society(同名のメタルバンドもいるけど別人)が聞きどころ。




# 【King Crimson】 Starless


'69年結成 in イギリス。現在も活動中。ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風でボスにもなったキング・クリムゾン。'70年代の前半と後半、'80年代以降でがらりがらがらと音楽性が変わって1曲を選ぶのがたいへん難しいところ、'70年代後半の集大成「Starless」をご紹介。叙情的な序盤、おどろおどろしい中盤、嵐のような後半を経てエンディングに至る長い道のりを「わけわからん、苦痛だ」と思いながら聴いてください。King Crimsonはサブスクや大手プラットフォームでのDL販売に消極的でCDか自前サイト( https://www.dgmlive.com/ )でしかまとまった音源が手に入らずなかなかおすすめしづらいのが悲しみ。


# 【Soft Machine】Hazard Profile Part 1 live at the BBC RADIO 1974


'66年結成 in イギリス。'84年頃自然消滅。

メンバーが入っては出ての新陳代謝の活動を通じて音楽性が全中後でサイケデリック~ジャズ・ロック~ジャズ/フュージョンとぬるりと変化しているためなにかを選ぶのは難しい。音源「Hazard Profile」はジャズ/フュージョン期の幕開けとなる「Bundles」の冒頭曲。ギターは名手Allan Holdsworth。Areaと同じくスタジオ盤は隅から隅まで聴いて欲しさがある(1stは若干人を選ぶので2ndから)。

# 【Dream Theater】Dream Theater 2012.Six O'clock


'89年結成 in アメリカ。現在も活動中。わたくしは「Jordan Rudess加入後は全体的にダメ派」のアルバム「Images & Words」原理主義者なので、2nd「Images & Words」から「Falling Into Infinity」までの初期諸作を推薦したい。

音源は 3rdアルバム「Awake」('94年)の冒頭曲。いろいろ長くてややこしい曲が多い中、コンパクトであげあげな名曲もちらほらあって、そのうちからひとつチョイス。

ライブアルバム「once in a livetime」がちょうどJordan Rudess加入以前のベスト盤みたいな選曲になっててよい。


# 【dCprG】DCPRG - 構造Ⅰ (現代呪術の構造)~Live Version


DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN。'99年結成 in 日本。

音源は 2nd アルバム「"Structure et Force"(構造と力)」より冒頭曲「構造Ⅰ (現代呪術の構造)」。「5拍4連と4拍5連のクロスリズム」なる構造を広くJ-Pop界に紹介したランドマーク的楽曲。

参考:
http://www.pazap.org/box/memo/polyrythm02.html

スクエアな5拍子/訛った4拍子の好きな方で解釈して楽しめるというからくり。のちのアルバム「SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA」では、同じ「構造」で作ったトラックで、そのカラクリを明かさずに SIMI LAB のふらりのラッパーにそれぞれ自由にラップらせ、それぞれが独自にスクエアな5拍子/訛った4拍子で解釈したラップをのせてきて主催者菊地成孔氏がニヤリとするなどした。彼らと彼らの関係者は、一子相伝秘技の域にあったJazzミュージシャンやラッパーの訛りやフローといったノリを再現可能な音楽の構造として取り込んだところが強み。さらに数年を経て4×5が可愛くなるほど何が何だか分からない聞いてて頭がおかしくなる世界へ(参考1)。

(参考1)DC/PRG「HEY JOE」


スタジオ最新作「フランツ・カフカの南アメリカ」からどうぞ:



# 【jizue】buzz


2006年結成 in 日本。「10選」ということでバランスをとるために日本のバンドも入れておかねばとあえて対象を絞ったラスト3枠。単純に好きな順にプログレだけ10選しちゃうと単にプログレが好きなだけと思われてしまいそれはそれで不本意なところがあり色々なところから多様的に選びたく様、宜しくお願い申し上げます。

そして選んだのが2ndアルバム「journal」より「buzz」……なぜなら…雰囲気、MAGMAの「Zombies」('76)に似ているから……。

(参考1)MAGMA「Zombies」


と、結局プログレなのだ。フランスで生まれた曲に似たそれが40年後の日本に収斂進化的に創られるの音楽の神秘あります。

(参考2)ちな、5thアルバム「story」よりリード曲「atom」は


(参考3)「Battle Against a True Hero」みがあっていい。


よい。アルバムはどこから拾ってもイカすと思われるのでお好きにどうぞ。最近発表されたオーケストラとの共演盤ライブ音源がなにげにベスト盤みたいな選曲なのでよいかも。


いろんな人がまれにやりがちな「ロックバンドとオーケストラの共演」には総論否定派なんだけど……これは……許した。


# 【JYOCHO】pure circle



2016年結成 in 日本。前身バンド「宇宙コンビニ」がなかなかに衝撃的でその後継なるJYOCHOも引き続きナウでポップな作品を量産してくれてたいへん助かる。JYOCHOもプログレからレコメン(参考1)を経て日本ではアンダーグラウンドシーン(参考2)で煮詰まって表に漏れ出してトクマルシューゴ(参考3)などを系譜するあれだと歴史観すればやっぱりこちらもプログレなのだ。プログレおじさんは好きなものをすべてプログレに回収したがるおじさんなんだ。

(参考1)ロック・イン・オポジション・ジャパン2014 トレーラー


(参考1)Harpy "Chips"



(参考2)トクマルシューゴ - Decorate



# 【倍音s】 善哉和也×尾引浩志(倍音s)×坪内敦01 鈴ん小屋

1999年結成 in 日本。最後に一昔前のジャパニーズのアンダーグラウンドシーンから倍音sをチョイスしたものの、昔前のジャパニーズのアンダーグラウンドシーンは全然音源がサブスクにもYoutubeにもあがってなくて今どきのインターネッツに紹介するには不都合だった拳。


先に紹介した Area の Demetrio Stratos も倍でオンな唱法を研究していて……ほんと夭折が惜しまれます。


ソンジャーネ

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