ヘッドンのホホ外伝:SHURE AONIC 50編
SHURE のヘッドフォン【AONIC 50】を買い申した!第一印象のレビューを致します!!
評価観点、他のヘッドフォンの評価はこちら:
目下のライバルは audio-technica: ATH-M50xBT
# 製品仕様
- ドライバーサイズ:50 mm
- 周波数特性:20 ~ 22,000 Hz
- 質量:334 g
- 対応コーデック:aptX™、aptX™ HD、 aptX™ Low Latency audio、Sony LDAC、AAC、SBC
- 最大20時間の連続再生・充電はType-C
- アクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)/外音取り込み/コントロールなしモード切り替え
- 有線接続可能(アナログ接続/USBデジタル接続)
- イコライザー、外音取り込みとANCの強さは専用アプリで設定
# 評価概要
SOUND:8, COMFORT:8, VALUE:6, TOTAL:22
【SOUND】第一印象は「地味!!」しばらく使って慣れてくると「上品!!」ってなった。いわゆるモニターライクなフラットな特性。低音や全体的なパンチ力など派手さが抑制されてきめ細やかなので、再生機のボリュームを気持ち大きめにして音全体を持ち上げて聴くかんじ。
【COMFORT】ふっくらイヤーパッドとほっこりバンドでとても快適。数時間セッションでも問題なし。
【VALUE】やや高価。ちまたの評価では競合製品 SONY WH-1000XM3 の総合的に上位互換相応にお値段も上がっているけど、低音ドンドコなリスニング体験が好きな人は逆に SONY WH-1000XM3 がおすすめって感じ。
# サウンド比較 VS audio-technica: ATH-M50xBT
【低音】AONIC 50はATH-M50xBTに比べて控えめ。その他のドゥンドゥンドカドカドンドン鳴らす系ヘッドフォン(beyerdynamic: DT-990 PRO)に比べてだいぶあっさりしている。
あっさりしているけど物足りないほどじゃなく、『Afro Blue』の重低音でぐりぐり動くベースも明瞭に聞き取れてよい。
▼Afro Blue
【中音】堅調。ボーカルもアンサンブルも細やかに鳴ってくれる。ATH-M50xBTに比べて……特別な特徴はな…い…かな……。
【高音】AONIC 50のATH-M50xBTに比べて明確にちょっと強め。いわゆるボーカルの歯擦音やドンシャリのシャリが強く効いた音楽ではやや耳に刺さるかも。『Light A Fire』の冒頭ボーカルに顕著。
▼Light A Fire
シャリ中のシャリがシャリシャリする音楽の代表『Hello, Morning』はうひょーとんでもなくシャリシャリするぜ!ってなる。
▼Hello, Morning
歯擦音領域は基本的に製造者側が抑制するものなので、シャリがシャリシャリする音楽が好きな人にはむしろ朗報では。あたしゃにはやたらめったらシンバルを叩きがちなJ-PopRocksを長時間聴くのはちょっとつらみ。
逆に、Jazzみたいにシャリが薄い音楽ではシンバル/ハイハットなどがしっかり聞き取れるしサックスなんかも普段とちょっと違う味付けに聞こえて面白い。何十年も前に死んだジョンッコルrrrrrrトレrrrrrrrーンを聞いていたら新しい鳴り方しててやりおるマンだと思ったところ。
▼Giant Steps
(Giant Steps期の音源たっぷりアルバムをシャッフル再生してた)
https://music.apple.com/jp/album/a-giant-step-in-jazz/266601952
(余談)何十年も前に死んだジョンッコルrrrrrrトレrrrrrrrーンは『Sugar Man』
さて、ワイヤレスANCヘッドフォンジャンルでもうひとつ気になっているのがSENNHEISER MOMENTUM Wireless M2。MOMENTUM Wireless の試供品を受け取って絶賛の嵐を繰り広げていたジャパニーズ Youtuber様たちには AONIC 50 と比較レビューを期待したい。(SONY WH-1000XM3 は AONIC 50 より音質だけ言うと低評価でだいたい海外勢が一致しているので納得した)
(補足)AONIC 50 と ATH-M50xBT の比較は、PC+YAMAHA AG06にアナログ接続(192kHz / 24bit)して実施しています。
# ノイズキャンセリング/外音取り込み周り
自室と通勤経路の徒歩で確認。普段の通気時/昨今の自粛中ヲーキング時は首掛けのワイヤレスイヤホン Sony WI-1000XM2 のANCを使っている。AONIC 50は同等以上に強力。
【ANC】強力。室内ではPCや扇風機の駆動音などがすぱっと消えて静寂に包まれる。屋外でも環境ノイズがシャットアウト。徐行している自動車は真横を通り過ぎても音がしない。
【環境取り込み】パワフル。ヘッドフォンを外したんじゃないかと錯覚する程度に外音を取り込み定位もしっかりしている。屋外では風切り音も増幅される点は注意。どうしても落ち着いた室内ではマイクから拾って増幅している感が出てしまうがやむを得ないところか。人の声はしっかりクリアに聞こえる。肉声で検証するお相手がいないのでスピーカーからトークを流しました><;
▼【バーチャル試聴】ノイズキャンセリングの効果を体験?!SHURE AONIC50 編
【通話品質】ごめんなさい!ほかを当たってください!
# 操作系
今後は主に室内で使い、仮に外出時に使うときはApple Watch側から操作することも多いので操作系はあまり気にしていないところ。
操作系はすべて物理スイッチ。右側カップの後ろ側に集中して並んでいる。
中央の再生・音量コントロールは中央ボタンの出っ張りが分かりやすいので触覚で操作しやすい。
上段は、外音取り込み/OFF/ANCはスライドスイッチ。切り替わり時は操作音や音声ガイドはなく一瞬ノイズが入って即座に切り替わる。物理ボタンは抵抗強めでカチッカチッと切り替えるため、頻繁に使用していたら摩耗して故障するんじゃないかと不安になる。室内で「OFF」固定で使い続けると思います(音楽鳴らしていれば外部ノイズはほとんど気にならない)。
下段の電源ボタンの長押しで電源ON/OFFおよびペアリングモード。電源ON/OFF、接続確立時には英語で音声あり(Power on / Power off / Bluetooth connected)。
# 専用アプリ
ShurePlus™ PLAYアプリから、環境モードの強さ、ANCの強さ、イコライザの適用・作成、音楽プレイヤー機能がある。
(Users Guideより)
実際は日本語化されています。
外音取り込み/OFF/ANCは物理スイッチで切り替えるので、アプリからの切り替えは不可能。また、外音取り込みモードのときは外音取り込みの強さ、ANCモードのときはANCの強さしか変更できないので注意。
細かいEQが作れるので、EQカスタマイズ大好きマンがいらっしゃったら朗報。
(Users Guideより)
# 接続周り
対応コーデックはaptX™、aptX™ HD、 aptX™ Low Latency audio、Sony LDAC、AAC、SBC。aptX LL(aptX™ Low Latency)対応がありがたい。PCのオーディオインターフェース(YAMAHA AG-06)からトランスミッター(TaoTronics)で飛ばして普通に動画視聴やゲームができるのでありがたい。
同様に Nintendo Switch からトランスミッターで飛ばしてシューター(Splatoon2)をプレイして、こちらもまったく支障をきたすことなかったのでありがたい。リズムゲームや競技系FPSなどでは、60ぶんの1,2フレームのずれは許容できないと思われるのでそこは諦めてください。
また、付属のケーブルでアナログ接続(ヘッドフォン側2.5mm 4極 TRRS/外部ソース側3.5mm 3極 TRS)、USB-Cケーブルでデジタル接続できる。わーい! PC/MacとUSB-Cケーブルでつないでからヘッドフォンの電源をONでデジタル接続できる。「ハイレゾ対応」とのことだが、Bit深度/レートいくつまで対応しているかは不明…。スクショをとっておきます。
◆ Windows との接続
◆ Mac との接続
(2020/05/18追記)AptX LLの特性なのか(aptX LLの課題はWi-Fiアンテナとの共存が困難)、使用しているトランスミッターの品質なのか、時々スクラッチ的なノイズが入ることがある。AONIC 50がノイズってるとき、aptX(素)のATH-M50xBTに切り替えると発生しない。様子見。
(2020/05/21追記)トランスミッター(AptX LL)と iPad pro(AAC)のマルチポイント接続状態の時、ノイズが発生することが判明。iPad側を切断して解決。ヤッタ!
# 総合評価: VS audio-technica: ATH-M50xBT
サウンドは、低音がドゥーンと主張しつつ全体はモニター級の繊細さを兼ね備え、謎の強烈なパンチ力の強さでばっこり脳を揺さぶってくる ATH-M50xBT のほうが好み。
対してAONIC 50には、在宅ワーキングの長時間セッションでの物理的・音楽的な快適性で強みがある。また、aptX LLでゲームや動画の普段遣いの幅も広がってよい。というわけで当初の計画通り、出勤が解禁されたら社畜場への常備がATH-M50xBT、自宅でのワイヤレスシチュエーションではAONIC 50とポゼッションを確立しそう。
ATH-M50xBT と DT-990 Pro がパワー系モニター級の双子で、バランス系リスニング級の AONIC 50 は Monolith M1060 の弟分、みたいな位置づけ。
ソンジャーネ
# 2020/05/17追記:AONIC 50とATH-M50xBTの周波数応答特性を並べてみた
上段 AONIC 50 / 下段 ATH-M50xBT
AONIC 50はATH-M50xBTと比べて低音(赤枠)が弱めで、高音(青枠)は強め……?高音の特性はこのグラフでは顕著に現れていないので気のせいなのか!?!?!?
出典:
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?