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SCANDAL SKA


ドン・ドラモンド先生のスキャンダル(・スカ)のテーマ譜です。
3月のセッションでは実際にこれを使って演奏する予定です。

■コード進行


簡単に説明するとコード進行はとてもシンプルです。トニック(F)がドミナント(C, C7)を経由して偶数小節(4、8小節目)で解決します。

この偶数小節で解決するというのは私見ですが、南米の音楽に多いような気がします。あんまりジャズや欧米のスタンダードでは聴かないですね。

ソニー・ロリンズの「ST. THOMAS」は偶数小節で解決することで南米音楽感を演出しています。
スタンダードでいうと「ALL THE THINGA YOU ARE」「FLY ME TO THE MOON」なんかも偶数小節で解決するのが印象的ですが、南米感は全くありません。(でもFLY ME〜はボサノバとの相性がいいのはこのせいかもしれないですね。)

イントロのキメですが、これは完全にアート・ブレイキーの「MOANIN’」のオマージュですよね。

■メロディ


メロディに関してはその偶数拍で展開していくコード進行に対して奇数拍で始めるモチーフを非常にうまく処理していて、シンプルですが、不思議な雰囲気のある良い曲だと思います。

サビは何故か16小節もあるんですが、サブドミナント(IV, Bb)に行くパターンです。

■ソロ


ソロについてはまた別途解説を上げますが、コード進行について。
テーマとは若干変更することで進行にストーリーを持たせています。

1小節目:トニックです。
2, 4小節目:もちろんII-V分解してもいいと思います。がこのままCのままいくのがスカの雰囲気保てる気がします。
4小節目:偶数小節でトニックへ解決。
5小節目:トニックからトニックセブン(I7)をとおります。サブドミナントに行く感じが強力です。循環(I GOT RHYTHMの進行)ものででてくるお決まりのパターンです。I7というのはものの本を読んだりすると「セカンダリー・ドミナント」なんて書いてあるんじゃないかと思うんですが、そんな考え方する必要はないです。I7です。
ビートルズ「HEY JUDE」とかミスチルの「終わりなき旅」とか。
スタンダードでいったら「JUST FRIENDS」「THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU」キリがありません。ちなみにブルースの4小節目も正体としてはこれI7です。
6小節目:テーマのときとはちょっと違って、サブドミナントに行ってます。I7の解決先ですね。もちろんBb=Gmなので、6−7小節をGm7-C7というII-Vとして扱ってもいいです。実際マクック先生はそのように吹いている気がします。
7小節目:ドミナントです。
8小節目:トニックです。

ソロを取る上で楽ちんにストーリーが出来上がるようにしてあるわけです。
1−4、5−8の展開を変えることによって。
なので、2,3小節めはII-Vみたいなのじゃなくて、シンプルにソロをとり、5小節目でトニックセブンをしっかり通り、6,7小節目はII-Vっぽいフレーズで締括くる、という感じにするとストーリー感があって、展開もしやすく良いソロになるんじゃないでしょうか。

■譜面ダウンロード(PDF)

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