【観光ログ】ミネソタ州St. Paul Empire Builder華麗なるHill一族
2024年11月22日(金) 為替レート1ドル=154.12円
James J. Hill House
入場料15ドル
Minnesota Historical Scietyのメンバーシップに入れば、他のHistorical Siteにも行けるので、Individualの年間50ドルに加入しています。家族プランなどはもっとお得なはず👇
豪邸が立ち並ぶことで有名なSt. PaulのSummit Avenue。聖ポール大聖堂の向かいに建つ、James J. Hill Houseへ行ってきました。30分毎にガイドツアーを行なっており、セルフガイドツアーでは入れない場所も案内してくれるのでおすすめです。
かつての邸宅の主人、ジェームズ・ジェローム・ヒル(1838-1916)は、Empire Builder (帝国建設者)と呼ばれ、米国北西部に展開した鉄道グループ、Great Northern RailwayのCEOでした。
ガイドツアーは、NG社の鉄道地図が飾られたお部屋からスタート。
ミネソタ州St. Paulからノースダコタ州、モンタナ州を通り、西へ西へと進んでいくGNの線路はワシントン州Seattleまで伸びていき、中国や日本をはじめとしたアジアとの貿易にも影響を与えたそう。
この地図を見るだけでも事業の壮大さが伝わってくる。さすが、Empire Builder (帝国建設者)なんていう、めちゃくちゃカッコいい通り名がつくだけはあります。
NG社の成長とともに、とんでもなくお金持ちになったJames J. Hillですが、その出自は、カナダからの移民であり、幼少期からあらゆる困難を乗り越えてきた玄人です。
Hillは、自身の成功の秘訣について、“Work, hard work, intelligent work, and then more work.”(働くこと、それも激しく働くこと、知的に働くこと、もっと働くこと)という言葉を残しているらしく、ガイドさんもHillのことを“Workaholic”だったと言っていました。
そして、Hillの成功には、妻Mary Theresa Mehegan(1846-1921)の内助の功が欠かせません。Hillとの間に4人の息子と6人の娘をもうけながら、屋敷の従業員を取りまとめて邸宅の管理を行ったり、慈善事業への寄付や社交パーティの企画運営をしたりなど、夫を支えながら多岐にわたる役割を果たしたと言われています。
ちなみに夫婦の寝室は別々だったらしいです。仲が悪かったからではなく、当時は一般的なことだったそう。
当時の移民政策や農業および鉱山の発展など、時代を読んで理にかなった発展を遂げたJames J. HillのNG社。息子のLouis W. Hill(1872-1948)が、Glaicer National Parkへの観光事業を展開した点など、Hill一族の経営手腕について学ぶのも興味深かったです。
また、そのあり得ないくらいの金持ちっぷりと、子息の教育や事業に注がれる大金もスケールが大きくてアメリカ史の面白さを噛み締めました。(笑)
個人的に印象に残ったのは、玄人で働き者のJames J. Hillがアメリカンドリームを実現したことに好感がもてる一方で、彼のことを嫌う人たちももちろん存在したこと。ガイドさんが紹介してくれた、以下のようなHillに対する悪口は、ユーモラスで面白いなと心に残りました。
Twixt Hill and Hell there’s just one letter. Were Hill in Hell we’d feel much better.
「Hill と Hell(地獄) はたった一文字違い。もしHillが地獄へ落ちたなら、 気分がいいのにな。」
He was known as the Empire Builder and The Devil’s Curse. Streets, towns and counties were named in his honor along with a persistent and invasive weed.
「Hillは “Empire Builder”(帝国の建設者)ととしてだけでなく、“Devil’s Curse” (悪魔の呪い)としても知られていた。彼を讃えて、通りや町、郡は名付けられ、さらに執拗で侵略的な雑草も、その名にちなんで名付けられた。」
ガイドさんは、自分のことをHistorianと言っていましたが、Historianがさまざまな側面から歴史を分析し、偏見なく伝えていくことが大切だと話していたことも印象的でした。オーストラリア同様、この手の観光地で知識の豊富な方のフリーツアーガイドを楽しめるのは、アメリカ旅行の醍醐味だと感じます。もちろんEnglish Onlyです!