不動産の価格はどうやって決まるのか?【土地編】
家や土地を売却しようとするとき、その不動産について一体どれくらいの価値があるのか、自分で把握することは難しいと思います。
今回は、土地の価値の決め方について解説していきたいと思います。
取引事例比較法を用いる方法
土地というものは、建物のように誰かによって建てられたものではないため、1つの土地だけに焦点をあてて価値を決めることは難しい不動産です。
よって、近隣の土地がいったいいくらで取引されているのか、という情報をもとに価値を決定する方法が主流です。
それが、取引事例比較法です。
不動産業者が閲覧できるレインズというサイトでは、現在の売り出し中物件以外に、過去に取引があった物件も検索することができます。
その過去の取引事例を用いて、近隣相場を割り出して、土地の価値を決めます。
不動産業者ではない方は、レインズは見れませんが、実際の取引事例といっても、実際の取引において大幅に値引きが行われていたりといったことは滅多にありません。
よって、スーモやホームズなどのサイトで見ることができる売り出し中の土地の価格を比較することでも、おおよその土地の価値を把握することは可能です。
今回は、世界遺産姫路城で有名な姫路市の土地を例にシュミレーションしたいと思います。
姫路市の書写というエリアで売却したい土地を所有していたとします。
土地の広さは、160㎡の48.4坪で更地とします。
そこで、「姫路 土地」と検索し、スーモやホームズなどのサイトで土地を見てみましょう。
私は、検索したときアットホームズが上位ヒットするので、よくアットホームズを見ています。
すると書写でエリアを絞ると33件ほどヒットしました。(同じ物件が複数登録されているので、実際は33件よりも少ないですが)
そして、対象の土地の近くの売り物件を3件ほどピックアップします。
1件目
2件目
3件目
今のサイトの便利なところは、坪単価が載っていることで、あとは、坪単価の平均を計算するだけです。
(22.37万円+22.0万円+26.64万円)÷3=約23.67万円
となりました。
例の土地の坪数が48.4坪だったので、
48.4坪×23.67万円=11,456,280円
よって、土地の値段は、約1,145万円となります。
※サイトから抜粋した画像は、2021年9月23日現在の情報です。あくまで、例を示すための参考としてご確認ください。
収益還元法を用いる方法
売却予定の土地において収益が発生している場合、収益還元法を用いることができるケースがあります。
現況で土地の上に別の所有者の建物があり地代が発生している、若しくは駐車場として賃貸しており駐車場代が発生している場合等が当てはまります。
その発生している収益を元に計算式を用いて、土地の価格を算出する方法が収益還元法です。
計算式は、
収益還元法による土地価格=年間収益額÷利回り×100
です。
例として、月極の駐車場を想定して計算してみましょう。
駐車台数30台、月額7,000円の駐車場とします。利回りは、7%で売却するとします。
年間収益=7,000円×30台×12ヶ月=252万円
価格=252万円÷7%×100=1,764万円
となります。
その他の要因
土地の価格を決めるときに、上記の2つの方法で大まかな金額は把握できますが、様々な要因によって価格が左右されるのが不動産です。
土地に係る値段を決める上での要因をいくつか紹介します。
・解体費用
土地の上に解体前提の家が存在している場合です。解体費用を捻出できず、更地渡しで土地を売却できない場合、解体費用を考慮して値段が下がる可能性があります。
・袋小路になっている土地
簡単に言うと道路に面していない土地のことです。その土地に行くために、他の土地を通らなければならない土地の場合、価格が下がる可能性は高いです。
・水路がある
土地の前面に水路が通っている場合、それを管理している自治体等に橋等をかける許可や使用料が発生する場合がありますので、値段が下がる可能性があります。
・空車が多い
収益土地の駐車場の場合の要因です。家賃収益物件と同じで、空きが多く続いている場合は、値段が下がる傾向にあります。
満車にしてから売り出すのが吉です。
この他にも土地の価値を決める要因は、多くありますので、最終的には不動産業者とよく相談するようにしてください。
まとめ
土地の価格を決める方法には、建物のときと同じように決まった手法があり、そのうち2つを紹介しました。
土地の通常の売買 ➡︎ 取引事例比較法
地代収入や駐車場収入のある土地 ➡︎ 収益還元法
以上の2つです。
そして、この2つの方法で求めた価格から、あらゆる要因を考慮して最終的な価格を決めていきます。
主な要因は、
土地の通常の売買 ➡︎ 解体費用や袋小路土地、前面に水路がある等
地代収入や駐車場収入のある土地 ➡︎ 空車状況等
土地の価値というのは、建物以上に様々な要因が関わってくるケースがありますので、思い通りの価値がつきにくいこともあるかと思いますが、土地の価値を知る手段として参考になればと思います。
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