子ども達が相手を意識するとき
僕が巡回スクール活動をしている保育園や幼稚園などではミニゲーム中に仲間のボールを奪い合うのをよく見かけます。
そんな時に「仲間のボールは取ったらダメ」と「みんなで固まったらダメでしょ」と保育士の先生達は子ども達にチームプレーをやって欲しいのでそのことを伝える場面に出逢います。
先生達はチームでミニゲームをやっているのを知っているので良かれと思い子ども達へ注意をしています。
僕は、このような場面に出会った時には、そのまま子ども達にはプレーをさせて、先生方へは「今はそのままでいいので、気にしないで一緒にプレーしてくださいね。」と伝えサッカー教室が終わってから「子ども達は必死でボールを自分のものにしたい気持ちがあってのプレーなので気にしないでいいですよ」と先生達へ話をしています。
保育園児や幼稚園児とっては「ボールをゴールに入れる」事が楽しいので、「相手」や「仲間」がいる事なんて全然考えていません。
考えているのは、1対1の勝負などではなく1人1人が「自分1人」でボールをゴールに入れる事だけです。
最初はそれでいいのです。
そこから「相手」が居る事を理解して、同じ目的を持つ「仲間」の存在を理解していくという段階を踏んでいきます。
では、私たち大人が、どのようにしたら「子ども達が相手が居る事を理解したというのをわかるのか?」ということですが、それは子ども達を観察していくと観えてきます。
僕がいつも子ども達と遊びながら観察をしているオニごっこを例に挙げます。
僕がオニ役で、子ども達は逃げる役です。
オニはみんなから少し離れた所にスタートする場所を決めてオニごっこを始めていきます。
オニ役も約束を守ってスタート場所から始めますが、回数を進めていくうちにスタート場所をみんなに近づいた場所へ変更します。
変更し始めても最初、子ども達はオニに捕まりたくない事で必死なので、スタート場所が変わっても気が付かないのですが、スタート場所が違うのを気づいて「インチキ!」などと言う子が出てくると相手を意識し始めています。
それは、自分が逃げる事に必死だっただけなのが、周りを意識して理解できるようになってきたということなのです。
そのように子ども達が気がつき始めた時が、相手を理解できるようになってくる時期です。
子ども達と一緒に遊んでいると子ども達の成長が観えてくるのが楽しいです。