オーストラリアから日本へー緊急帰国記
ーオーストラリア・シドニーから羽田空港へ帰国した娘の記録ー
※2020年6月19日加筆
2020年6月14日 午前5時30分 オーストラリア・シドニーから羽田空港に着いた娘(24歳)
私たちは在豪22年目を迎える永住組で、今回の緊急里帰りは、娘の父親(私の元夫)の様態が芳しくない。という病院からの知らせで実現した。
コロナ禍の日本へ一時帰国決定!!
ある日の夜遅く、私のスマホに【元夫】から電話が入った。こんな時間にもしや、元夫といる次男に何かあったのか?と電話を取ると
「○〇病院の医師○○です。」
と病院の先生から直接の電話で、元夫が呼吸困難で入院したこと。人工呼吸器を装着しているので、麻酔で意識がなくいろいろなことが聞けないので私に電話をしてきたということだった。
私たちは離婚して10年。別に憎み合って別れたわけでもなく、今も交流はあるので、先生と話をすること10分ほどーどうやら咽喉に腫瘍があり、それが気道を圧迫し、呼吸困難になっているらしい。その腫瘍はたぶんガンであろうということ。まだ調べられてはいないが、楽観的なものはないことなどを聞いた。
もうそう長くはないのだろうと思う。余命よくて半年くらいか?下手をすると2~3か月かもしれない。このことを娘に話し、日本へ帰国させることを決めた。
娘は幸いなことに、国際線のCAでありコロナの影響で今年いっぱいは無職である。 普通であれば、数か月休みを取ることは叶わないことであるが、これも神様の計らいなのだろうか・・・そういう宿命の流れなのだろう。
帰国が決まれば動くのみ!
まずは、飛行機のチケット。コロナのせいで、オーストラリアは鎖国状態。唯一、オーストラリアから日本への便はANAがシドニーから週3便飛んでいるのみ。
ANAさま!ありがとう!!もしANAがなければ、日本へ帰ることは出来なかったのです!
私たちが住むブリスベンからシドニーまでの国内線も減便されているので、日本便は空席であっても、国内線が予約できないという第一難関。なんとか1週間後の便を押さえることができた。
そしてもう一つ問題は、私たちは、永住権を持っているので簡単には出国ができない。観光客や留学生、ワーホリであればすぐに飛行機に乗れるのだが、永住者であるのでオーストラリア政府へ出国許可書をもらうことが必要なのだ。
出国許可書をもらうまで
オーストラリアを出国するには、それなりの理由がいる。
緊急帰国するための理由を医師に日本語で手紙を書いてもらった後、NATTIという通訳&翻訳国家資格保有者に翻訳をしてもらい、提出するという作業をするはめに・・・今はオンラインでやってもらえるので、医師からの手紙を訳してもらうのに1日も掛からず、すぐに政府へ出国申請をした。
<追記:そのときに書いてもらった手紙。
診断書でなくても大丈夫でした。この内容、今は意識も戻り気管切開をして、いちおうしゃべれるようになっているそうです。でもこの時は嘘ではなかったのです・・・先生、グッジョブ!(^_-)-☆
役所から、3日たっても何も言ってこないので、娘が電話を掛け
「父親が死にそうだから、早くして申請書くれ!」
と懇願した。このとき、係員のお姉さんは同情してくれて
「緊急要請ということで、上に早くしてくれるように言いました。私が出来るのはここまで、あとは早く審査が下りるといいわね」
と言われたそう。お姉さん、ありがとう!涙 このお姉さんの話からも、普通に待っていたのであれば、いつになるのかわからないのかも?
とにかくオーストラリアとしては、出国させるとコロナ持ちでかえってくる恐れがあるし、6月19日現在、14日間の隔離も政府持ち出しになるので(苦笑)正直、出国させたくも帰ってきてほしくもないのだろうと思う。>
当初、予約日は6月8日シドニーから羽田へ出発の便だったのが、申請許可が下りたのが6月7日の昼。ブリスベンからシドニーへの国内線が7日夕方出発だったので、前日に12日にリスケしたのであった・・・あ~~~もうちょっと早く来ていたら!!怒
<追記:出国許可書は、そのものが送られてくるわけではなく、メールのみで知らせがあり、ボーダーセキュリティーの方にに出国OKということが送られている=オンラインでパスポートに紐づけされているようです。
シドニー空港に入場するした際に出国申請書のチェックがあり、そのあとANAのチェックインカウンターでもチェックがあり、その後やっとチケットが発券されるということなので、出国OKになったメールのプリントアウトをしていくと便利です。そして強行突破!とは行かないので、ご注意を!>
医者からの電話を受けたのが5月28日。そして日本行の飛行機に乗ったのが6月13日。なんと17日目!!そして日本に帰ってからも14日間の自主隔離期間があるので、電話から1か月後の6月28日にならないと父親に会えない。という計算に・・・
海外移住したときから、誰の死に目にも会えないことは覚悟はしていたが、コロナがなければ、最短ならば次の日には帰国も出来たはず。なんともコロナのバカやろ~である。
やっと日本へ
6月12日、ブリスベンからシドニーへ。1泊して無事にシドニー空港にチェックインし、飛行機に乗ったというLINEが入った。
そのころ~私はまた一人でパニくっていたのである。苦笑
その理由は、予定していた迎えが来ない!?ことになったため。
日本では、PCR検査後に
自家用車で迎えが来る場合と、自分でレンタカーを運転して自宅へ行く場合のみ、PCR検査してから結果を待たずに空港から出られる
と政府のサイトで確認していた。なので、関西圏に住む私の兄に娘の迎えを頼んでいた・・・が・・・兄の仕事場からNGが出てしまったうえに、実家界隈は田舎なので、もしコロナを持ち込んでしまったら・・・村八分どころか、生きておれずに自殺者まで出ているとか←こういうところ、日本の問題点です!
ホテルで14日間自主隔離の道を取る
そんないろいろな予定変更があったため、急遽東京のホテルで14日間滞在させることになり、14日間公共交通機関を使えないのなら、陰性結果が出たあとは、レンタカーでそのへんのホテルへ移動??それとも羽田空港併設のホテルで14日間??などと右往左往する私。
らくらくタクシーでは、24時間前であれば【空港送迎特別プラン】というハイヤーサービスがあり、この場合も自宅からの迎えになるので検査結果を待たずに自宅に送り届けてくれます。
空港でのPCR検査のことについては、情報はあれど、ホテルに滞在する場合の情報がまったくない!(だからこの記録を書きました)
そこで見つけたのが、宿場Japanさんがやっている『帰国者向け お迎え送迎付き14日間待機プラン』
PCR検査の結果が陰性であれば、羽田・成田空港まで迎えに来てくれて、14日間待機させてくれるというなんとも涙モノのサービス!
娘が離陸したあと、焦る私。検査結果が出る時間がわからないため、どこに予約していいのかもわからず・・・ハイヤーサービスは24時間後なので、早朝から夜まで空港にいること自体が怖い!空港併設のホテルは空室があるようなので、娘が到着してから予約させても問題はないだろう。何日かそこにいる間に何か考えよう。と持越し!
6月14日早朝、羽田空港へ到着
娘から、羽田に無事到着したとLINEがあった。
飛行機から早々に下ろされ、飛行機を降りてすぐの待合?に集められ検査や14日間の隔離の説明などを受けたそう
PCR検査を受けた後に待つラウンジ。搭乗ゲート界隈のような感じ。(もうちょっと状況がわかる写真が欲しかった。笑)
自主隔離帰国者を受け入れているホテルのリスト。そして空港から羽田、大森、鎌田、川崎、品川の順でシャトルバスを出してくれるので、公共交通機関を使わなくてもよいことがわかった。←こういうことも政府のサイトには出ていなかった!!
14日間どこに滞在するか?を書く申告書
聞く、話す、読むはそん色なく出来る娘だが、漢字が書けないので、英語で書いたのだろうか???(;^_^A
検査結果が出るまでは違うラウンジで待つ。
到着後、5時間ほどして(11時過ぎ)お弁当とお茶が配られたそう
これは羽田空港のことなので、成田空港のことはわかりませんが、同じ感じなのでしょう。
帰国者待遇・オーストラリアの場合
日本の様子がわかったので、対比としてオーストラリアの場合を書きます。
国際線受け入れ空港は限られており入国できるのも、オーストラリア国籍保有者と永住権所持者とその家族のみです。(6月15日現在)
そして、検査終了後、専用のバスで乗客全員。一棟借りしているホテルへ連れていかれ強制的に14日間隔離となります。その間、外出は出来ず、食糧や生活用品は差し入れとなります。そしてこれらはすべて公費で支払われ、自己負担はないと聞いています。(7月から1日に付き200ドル。計2800ドルの完全自己負担になるようです)
オーストラリアは人口も少ないので、こういう待遇ができるのだと思いますが、国によっていろいろなことは違いますね。
そして、検査の結果
PCR検査は朝6時半ごろに行われ、検査結果はお昼12時過ぎに出たそうで、もちろん”陰性”!!
シャトルバスでホテルへ連れて行ってもらい、午後2時ごろチェックインを無事に済ませたそうです。
娘も元から引きこもりん(私と娘は引きこもり族!コロナ自粛でも全く生活も変わらず、ストレスも0でした。爆爆)なので、ホテルで14日間ほぼ引きこもりん生活をするそうです。近くにコンビニやお店があるので良かったと言ってました。
病院はたぶん面会は出来ないと思いますが、6月28日に私の実家に帰ったあと、いつになったら父親の顔を見ることが出来るのでしょうか?
なんともトホホな日本帰国記録記でしたが、少しでもホテル滞在予定の帰国者のためになれば・・・と書きました。
さいごに
オーストラリアでは、コロナの流行を最小限に抑えることに成功し、特にブリスベンのあるQLD州では、ほとんど感染者さえいないので、日本の空港や東京でいることの方が感染リスクが高いと思われます。
オーストラリアでは、5月2日。ロックダウンが終了し、規制緩和されている今も無駄な外出は控え、ソーシャルディスタンスを取りキスやハグなどの生活習慣も変えて生活をしています。
日本も自粛終了によって、第二波が来ている地域もあるようですが、これ以上広がらないように、各自が気をつけて生活をしていくことが大切なのだと思います。