Victoria Young Head Crown (イギリス ヴィクトリア ヤングヘッド クラウン銀貨)
ヴィクトリアのクラウンの中ではヤングヘッドが個人的にハッ!とします。
Spinkカタログによると、1839/1844/1845/1847年の4年号が発行されているようです。1839年はプルーフのみで、あのウナライオンが入っているセットに含まれています。
向きはコインアラインメントです。(↑↓)
こちらは1845年発行で、1番よく見かけるヤングヘッドクラウンだと思います。肖像面はW.Wyonデザインで製作も彼自身によるものです。
首元のトランケーションには"W.WYON.RA"と見えます。RAはRoyal Academician(王立アカデミー会員)を示しています。
紋章面はJean Baptiste Merlenによるデザインで、製作はL.C.Wyonです。
中央の紋章は、イングランド(ライオン3頭)/スコットランド(ライオン)/アイルランド(ハープ 8strings)/ に聖エドワード王冠が載っかっています。
紋章下部にはリボン、バラ(イギリス)、アザミ(スコットランド)、シャムロック(アイルランド)がデザインされています。
このリボンデザインは日本の近代貨幣に明らかに影響を与えていると思いますがどうでしょうか。。。
エッジは陰刻のレタードエッジで、1845年銘は"DECUS ET TUTAMEN ANNO REGNI VIII"と彫刻されています。"君主の在位8年目における飾りと守護"という意味ですが、在位期間により数字が変わってきます。
この銘文の句読点には、"Cinquefoil"と"8 pointed star"の2種類があります。
この個体は"Cinquefoil"が使用されています。アメーバの様なフォルムですな。
もちろんバラエティやパターンも存在していて、希少度がアホのように変わってきます。。。
1800年代のイギリスコインや近代日本貨幣のデザインは特に花開いたなと個人的には思います。近代的な貨幣制度確立のためにイギリス人技師を雇い入れたり、ロイヤルミントの香港造幣局閉鎖によりその造幣設備一式を購入、また試鋳貨の製造をロイヤルミントに依頼しているぐらいですので、貨幣のデザインも参考にしている部分はあると思うんですよね。
文化の違いで天皇肖像ではなく象徴的な意味合いで竜が使用されたようですが、日本の貨幣で肖像入りを見てみたいなとは思います。。。
クラウン貨の方が若干厚いですな。重さも28.3gということで若干円銀よりは重いです。品位はスターリングシルバー(.925)でこれも円銀よりは純度が若干高い仕様になっています。
現代の貨幣でこれだけのデカさとデザインは不要かもしれませんが、現代に生きるコインファンとしてはやはりリストライクという道は考えてしまいます。
イギリスではリマスターシリーズなんて製造しているので、日本でも可能だと思うんですよねぇ。
以前にもそんな妄想をしていましたw。
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