コイン鑑定会社 最近の傾向 その2 (当方の鑑定代行としての雑感)
鑑定に出すコインで何かアピールしたいことがあれば、
できるだけ資料などを揃えて、自分の思い入れも乗せたアピール文なり解説文をコインに添えるのが良いと思っています。最近まで何例か送ってきましたが、この思いを強くしました。
やはり鑑定会社側は毎日何枚ものコインを見ていると思いますので、メモ書き程度ではアピールにならないと思うんですよね。詳しく調べてくれないような気もします。ちょっとでも関心を持ってもらうために詳しく説明文を書けば、同じ人間ですので、ちゃんと読んでもらえる確率が上がると思っています。そこで納得してもらえれば鑑定結果に反映されると思います。
失敗例は例えば、
あるコインの銅打ちパターン。カタログには載っていないので、今の私なら銅打ちパターンであると証明する資料を揃えて提出すると思いますが、当時はメモ書きで銅打ちのパターンですとだけ記して提出しました。
結果はなんとCounterfeit!いやぁ、なんてこったい!の結果です。
つまり鑑定会社側では調べてくれないんですよね。こういうのはこちら側が用意してあげないといけないなと学んだ瞬間です。
そのままお客さんに返却となりましたが、次の機会があればバッチリ調べて再鑑定に出したいところです。
成功例は例えば、
傾打のミントエラー。どこからが傾打と認められるのか曖昧なような気がしていますが、事例を探してくれば認められる可能性が格段に上がると思います。45°は認められないと思いますが、70°はどうかなと思っていたところ、そのミントエラー事例を運良く見つけることができました。その例を示したところ無事認定されました。
そう、過去例があると認定されやすいと思います。類似例でも良いと思います。複数いる鑑定人の横のつながり(情報共有度)がどれぐらいあるのかは分かりませんが、間接的に過去例を示してあげれば彼ら彼女らも納得しやすいと思うんですよね。
私自身のコインもそうですが、代行でお預かりしたコインについて何か通常の鑑定出しと違う場合は資料を揃えていただくようにお願いしています。その際に可能なら自分の思いをのせたアピール文もあればベターだと思っています。
PCGS Regularのスピードが早いんですよねぇ〜。
立て続けに2件、ヒト月ほどで戻ってきました。
同時期にエクスプレスも出していたのですが、なんと同じタイミングで戻ってきました。エクスプレスの戻り期間はいつも通りだったのですが、レギュラーが異常です。通常は2〜3ヶ月ほどみています。。。でもなんだって早いぶんにはOKデス。
現在も新たにレギュラーを出しているので注目しています。
Dragon/Tokyo City スラブの関係でPCGS Asiaにも鑑定出しをしてみました。
PCGS U.Sはカテゴリ別で鑑定が終わり次第戻ってきます。Asiaは違って締切を設けていて、モダンorヴィンテージで分けて戻ってくるようです。スケジュール表に"CUT-OFF DATE"や"RETURN BY"のような表示があって、モダンはおよそ2ヶ月、ヴィンテージはおよそ3ヶ月の戻り期間のようです。質問してみたところモダンはAsia内で完結、ヴィンテージは一度アメリカへも送っているとのこと。
今回はモダンもヴィンテージもまとめて出したところ、およそ2.5ヶ月ほどで戻ってきました。その間にモダンも追加で出したのですが最速分でヒト月といった結果です。
おそらくモダンのみを締切に合わせて出すと、1〜2ヶ月で帰ってくるのかなという印象です。いずれにしてもスケジュール表よりは早い感覚です。枚数も関係してくるのかもしれませぬ。
同じ作りのモダンコインなのにMSで戻ったりPRで帰ったりすることがありました。
これはまさにそのときの鑑定士によって評価が違うのかなと言う感想です。同じ作りでMS or PR 評価があるならば、普通はPR評価で戻して欲しいですよね。こういうときは最初に書いた通りで、PR評価されている例を添えてあげるとPR評価で帰ってきます。どないやねん!w
NCSはサスガだなと思いました。
ミルクスポット対応ですが、当方のやっている簡易コイン汚れ除去とは違うんだなぁという実感です。PCGSレストレーションもそうですが、完全ミルク対策は現状ではどうにもならないようです。。。
今後トライしてみたいなと思っているのは、PCGSのVariety認定です。
日本のコインでバラエティを狙ってみたいと思っているのですが、例えばモルガンダラーのバラエティだと"The Top 100 Morgan Dollar Varieties"や"Official Guide to the HOT 50 Morgan Dollar Varieites"など著名な本に載っていないと認定されないようです。
日本のコインだと、たとえばM23円銀に小頭二がありますが、"Small 二"として認定されています。これは日本貨幣カタログに載っているので認められていると思うんですよね。
私自身は旭日竜50銭の手変りが好きで集めているのですが、その中で何を狙うかと考えたら、"M3 密葉脈 前脚部連点アリ"なんてどうかなぁと思っています。なんだかんだで枚数ありますし(個人的肌感は100枚ぐらいあってもおかしくない気がします。いや、もっとあるかな。。。)、特異的な手変りだと思うので認定されれば面白いなと思います。
でも、当然ながら日本貨幣カタログには載っていないんですよねぇ。記載されているのは日本の近代銀貨 50銭銀貨の部(書信館出版)ですので、ここからトライかなぁと思っています。
余談ですが、
Varietyはダイ側に起因するもので、同じモノが複数存在する可能性があります。対してMintErrorは偶然できた産物ですので全く同一のモノが存在しません。
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