3-I-1【データベース方式】データベースとデータベース管理システム(DBMS)の基礎
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データベースは、情報を効率的に管理し、必要に応じて迅速にアクセスできるようにするためのシステムです。データベースは、企業や組織が日常的に取り扱う膨大なデータを整理し、データの整合性やセキュリティを保ちながら管理するために欠かせない役割を果たします。ここでは、データベースの目的や特徴、データベース管理システム(DBMS)の考え方、そして主要なデータベースの種類について詳しく解説します。
1. データベースの目的と特徴
1.1 データベースの目的
データベースは、情報を一元的に管理し、効率よくデータを利用・分析するためのツールです。その主な目的は以下の通りです:
データの一元管理:情報を中央集権的に管理し、アクセスするための一貫した方法を提供します。
効率的なデータアクセス:大量のデータに対して高速に検索や取得を行い、ユーザーが迅速に必要な情報を取り出せるようにします。
データの整合性と一貫性の確保:データベースはデータの整合性(整合的な状態)と一貫性(データの正確性)を保つためのルールを提供します。
データのセキュリティ:アクセス制御を行い、機密性の高いデータを適切に保護します。
データの可用性:データベースシステムは、データが常に利用可能であり、システム障害に対して耐性を持つよう設計されます。
1.2 データベースの特徴
データベースには以下のような特徴があります:
永続性:データはデータベースに保存され、コンピュータのシャットダウンや再起動に関係なく、データは維持されます。
多様なデータ形式の格納:データベースは、テキスト、数値、画像、音声、動画などさまざまな形式のデータを格納することができます。
高いスケーラビリティ:データベースは、データ量の増加に応じてスケールアップやスケールアウトが可能です。
複数のユーザーによる同時アクセス:データベースは、複数のユーザーやアプリケーションから同時にアクセスされても、効率的に管理できます。
2. データモデルの考え方
2.1 データモデルとは
データモデルとは、データの構造や関係性を定義するための抽象的な枠組みです。データベースで使用される代表的なデータモデルには以下があります
階層モデル:データを木構造のように階層的に整理するモデル。親子関係を持つデータを表現するのに適しています。
ネットワークモデル(網型データベース):データ間の複雑な関係を表現するために、階層モデルを拡張したものです。複数の親を持つデータに対応しています。
リレーショナルモデル(関係データベース:RDBMS):データをテーブル(関係)として表現し、データ間の関係をキーによって示すモデル。最も広く使用されており、SQL(Structured Query Language)でデータを操作します。
関係データベースは、下記のような構成になっています。
行・・・組、レコード、タプル
列・・・属性、カラム、アトリビュート
データ項目・・・フィールド
次数・・・列の数
位数・・・行の数
ドメイン(定義域)・・・ドメインとは、同一を特性を持つ集合のこと
3. データベース管理システム(DBMS)
3.1 DBMSの意義
**DBMS(データベース管理システム)**は、データベースの管理を行うソフトウェアシステムであり、データの整合性、可用性、セキュリティ、効率的なデータアクセスを提供します。DBMSを使用することで、アプリケーションの開発者やユーザーは、データの管理における複雑さを軽減し、効率的なデータ処理を実現できます。
データ操作の一元化:DBMSは、データの挿入、更新、削除、検索などの操作を一元的に管理します。
データの一貫性:トランザクション管理を通じて、データの整合性を保ち、データの不整合を防ぎます。
アクセス制御:ユーザーごとのアクセス権限を設定し、データのセキュリティを確保します。
バックアップとリカバリ:定期的なバックアップと障害発生時のデータ復旧機能を提供します。
3.2 RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)
RDBMSは、リレーショナルモデルに基づくデータベース管理システムであり、データを**テーブル(関係)**として管理し、SQL(Structured Query Language)を使ってデータを操作します。代表的なRDBMSには以下があります:
MySQL:オープンソースのリレーショナルデータベースで、広く使用されています。
PostgreSQL:高機能で、ACID準拠のリレーショナルデータベースです。
Oracle Database:商用の高機能RDBMSで、大規模な企業向けに適しています。
3.3 NoSQL(非リレーショナルデータベース)
NoSQLは、従来のリレーショナルデータベースの制約を超え、スケーラビリティや柔軟性に優れたデータベースです。以下のような種類があります:
キーバリューストア(KVS):データをキーとバリューのペアとして格納するデータベース。例:Redis、DynamoDB。
ドキュメント指向データベース:データをJSONやXMLの形式で格納し、柔軟な構造を提供します。例:MongoDB。
グラフ指向データベース:ノードとエッジを使ってデータ間の関係を表現するデータベース。例:Neo4j。
NoSQLは、特にビッグデータやリアルタイムデータ、分散システムでの使用が進んでおり、スケーラビリティや柔軟性を提供します。
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3-I データベース【テクノロジ系】
このマガジンでは、データベースに関する基本的な知識と技術について解説しています。具体的には、データベース方式、データベース設計、データ操作…
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