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【オンライン無料教材】3-K-5【情報セキュリティ対策】技術的セキュリティ対策の種類と実行
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情報セキュリティは、組織の資産とデータを保護するために、様々な技術的手段を活用することが重要です。技術的セキュリティ対策は、組織のシステムやネットワークを守るための基盤となります。これらの対策には、アクセス制御、侵入検知、データ暗号化などがあり、企業が直面するリスクに対応するために欠かせません。本記事では、技術的セキュリティ対策の種類とその実行方法について解説します。
1. 技術的セキュリティ対策の種類
1.1 コールバックとアクセス制御
コールバック:コールバックは、外部からの接続やリクエストに対して、信頼性や正当性を確認するための「逆方向の通信」や「認証プロセス」を指します。この手法は、アクセス元が本当に許可された正当なものかを確認することを目的としています。
アクセス制御:ユーザーの権限に基づいて、情報システムへのアクセスを制限する仕組みです。これには認証(ユーザーIDとパスワードによる認証など)や認可(アクセス権の設定)があります。
1.2 防御技術の種類
ファイアウォール:ネットワークの出入り口で通信を監視し、不正な通信を遮断するセキュリティ機能です。
WAF(Web Application Firewall):Webアプリケーションに対する攻撃を防ぐための専用ファイアウォールで、主にSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)を防ぎます。
IDS(Intrusion Detection System):ネットワーク内で発生する異常な動作を検知し、攻撃の兆候を早期に発見するシステムです。
IPS(Intrusion Prevention System):IDSの機能をさらに進化させ、発見した攻撃を自動的にブロックすることができます。
1.3 高度なセキュリティ対策
EDR(Endpoint Detection and Response):エンドポイント(PC、スマートフォン、サーバーなど)の異常を検出し、攻撃に対してリアルタイムで対応するシステムです。
DLP(Data Loss Prevention):機密情報の不正流出を防止するために、情報の取り扱いを監視し、漏洩のリスクを軽減します。
SIEM(Security Information and Event Management):システムから収集したログデータを分析し、セキュリティインシデントをリアルタイムで検知・管理するシステムです。
SSL/TLS(Secure Sockets Layer/Transport Layer Security):データ通信を暗号化して、インターネット上でのセキュアな通信を提供します。
1.4 その他の技術的セキュリティ対策
VPN(Virtual Private Network):VPN(仮想プライベートネットワーク)は、インターネット上でプライバシーを保ちながら安全な通信を可能にする技術です。VPNを使うことで、インターネットを介した通信が暗号化され、第三者(ハッカーや監視者など)から通信内容が見られないように保護されます。また、リモートで特定のネットワーク(例:企業の社内ネットワーク)に安全に接続することもできます。
VPNがないと以下のリスクがあります:
①盗聴のリスク:公共Wi-Fiなどで通信が傍受され、パスワードや個人情報が漏れる可能性が高まる。
②プライバシー侵害:IPアドレスがそのまま晒され、個人の位置や行動が追跡されやすくなる。
③地理制限:地域によってアクセスできないコンテンツやサービスが利用できなくなる。
MDM(Mobile Device Management):モバイルデバイスのセキュリティを管理するシステムで、リモートワイプ(データの消去)やアプリのインストール制御などが行えます。
ペネトレーションテスト:セキュリティの脆弱性を発見するため、攻撃者の視点でシステムをテストします。
「ペネトレーション(Penetration)」は、直訳すると「侵入」「浸透」を意味します。
情報セキュリティでは「ペネトレーションテスト」として使われ、システムやネットワークの脆弱性を探るために侵入を試みるテストを指します。
ブロックチェーン:分散型のデータベース技術で、セキュリティやトランザクションの追跡に強みを持っています。
2. 身近な業務における基本的対策の実行
2.1 マルウェア・不正プログラム対策
マルウェア対策ソフトの導入:PCやサーバーにアンチウイルスソフトをインストールし、ウイルス定義ファイルを定期的に更新することで、マルウェアの感染を防ぎます
マルウェア(Malware)は、「悪意のあるソフトウェア」を指し、ウイルスやスパイウェアなどが含まれます。
コンピュータやネットワークに損害を与えたり、情報を盗む目的で作られています。
ランサムウェア対策
データバックアップ:定期的にデータをバックアップし、3-2-1ルール(3つのコピーをとり、2つのメディアに保存し、1つはオフサイトにする)を守ることで、ランサムウェアによるデータ喪失を防ぎます。
「オフサイトに保存する」とは、データを自分の主要な場所(オンサイト)以外の遠隔地や別の施設に保存することを指します。 災害やシステム障害が起きた際にデータを保護し、復元可能にするためのバックアップ対策の一環です。
2.2 インターネット利用環境におけるセキュリティ設定
スパム対策:スパムメールをフィルタリングし、悪質なメールの受信を防ぎます。
URLフィルタリング(Webフィルタリング):危険なウェブサイトや悪意のあるコンテンツへのアクセスを制限します。
コンテンツフィルタリング:ネットワーク上で不正なコンテンツを検出し、アクセスを制限します。
2.3 クラウドサービスのセキュリティ対策
クラウドサービスを利用する際は、サービス提供者が提供するセキュリティ機能を利用するとともに、以下の対策を講じることが重要です
脆弱性管理:クラウドサービスにおけるOSアップデートやセキュリティパッチを適時適用し、リスクを軽減します。
アクセス制御:クラウドリソースへのアクセス権を最小限に設定し、必要な人物だけがアクセスできるようにします。
サマリー
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技術的セキュリティ対策は、情報システムを保護するための重要な要素であり、さまざまな手段があります。アクセス制御やファイアウォールといった基本的な対策に加え、EDRやSIEMなどの高度なセキュリティ技術を導入することで、リスクを最小限に抑えることができます。また、身近な業務でのマルウェア対策やインターネットセキュリティ設定も欠かせません。これらの技術的な対策を総合的に実行することが、強固な情報セキュリティを実現するための鍵となります。