3-D-1【システムの構成】処理形態、システム構成、利用形態の基本的な理解
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コンピュータシステムは、データの処理や情報の管理、システムの運用において様々な形態を取ることがあります。これらの処理形態やシステム構成、利用形態は、システムの効率性、スケーラビリティ、可用性などに大きな影響を与えます。本記事では、代表的な処理形態、システム構成、そして利用形態について、それぞれの特徴と利点を詳しく解説します。
1. 処理形態の特徴
処理形態は、データの処理方法や処理の場所、タイミングに関する方式を指します。代表的な処理形態には、集中処理、分散処理、並列処理、そしてレプリケーションがあります。
1.1 集中処理
集中処理は、すべての計算やデータ処理を中央のコンピュータまたはサーバで実行する処理形態です。
特徴:
データが一元的に管理されるため、管理が容易。
処理能力やストレージ容量が集中しており、大規模なデータ処理に適している。
システム障害が発生した場合、全体のシステムが影響を受けるリスクが高い。
1.2 分散処理
分散処理は、複数のコンピュータが連携して処理を行う方式です。各コンピュータは独立してデータを処理し、その結果を共有します。
特徴:
処理負荷を複数のコンピュータに分担することで、システム全体の効率性を高める。
可用性が向上し、単一障害点(SPOF)を回避できる。
システム間の通信やデータの同期が課題となる場合がある。
1.3 並列処理
並列処理は、複数の処理を同時に実行することで、計算速度を高速化する方式です。通常は、1つの問題を複数の部分に分けて処理します。
特徴:
処理の高速化が可能で、特に大規模なデータや計算を扱う際に有効。
コンピュータのマルチコアCPUやGPUを利用して効率的に実行される。
プログラムが並列化されていない場合、効果的に利用できないことがある。
1.4 レプリケーション
レプリケーションは、データや処理を複数の場所に複製することです。これにより、可用性や耐障害性が向上します。
特徴:
データの冗長性が確保され、障害発生時に別のコピーで処理が続行可能。
サーバ間でデータの一貫性を保つことが重要で、同期の管理が必要。
2. システム構成の特徴
システム構成は、コンピュータのハードウェア、ソフトウェア、ネットワークの組み合わせによって決まります。ここでは、代表的なシステム構成について解説します。
2.1 デュアルシステムとデュプレックスシステム
デュアルシステム:
2つのコンピュータが相互にバックアップし合い、1台のシステムが故障しても、もう1台で継続運用できる仕組みです。
高可用性を確保できるため、重要なシステムに多く採用されています。
デュプレックスシステム:
両方のシステムが同時に動作し、常に同期を取る形で運用されます。片方が故障した場合でも、即座に処理を引き継げます。
2.2 クライアントサーバシステム
クライアントサーバシステムは、複数のクライアントがサーバにアクセスし、リソースやサービスを利用するモデルです。
特徴:
サーバはデータやアプリケーションを提供し、クライアントはリソースをリクエストします。
ネットワークを介してデータ交換を行うため、スケーラビリティと管理が容易。
2.3 仮想化(ホスト型、ハイパーバイザー型、コンテナ型)
仮想化技術は、物理的なコンピュータを仮想的に分割して、複数の仮想マシンやコンテナを実行できるようにする技術です。
ホスト型仮想化:物理マシンに仮想化ソフトウェアをインストールし、その上で仮想マシンを実行します。
ハイパーバイザー型仮想化:物理マシン上にハイパーバイザーを直接インストールし、その上で仮想マシンを管理します。
コンテナ型仮想化:仮想化された環境でアプリケーションを実行する仕組みで、軽量で高速な動作が特徴です。
2.4 その他のシステム構成
Webシステム:インターネットを通じてユーザーとやり取りを行うシステム。サーバ、データベース、ブラウザなどで構成されます。
クラスタ:複数のコンピュータが連携して1台のシステムのように動作する構成で、高い可用性とスケーラビリティを実現します。
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3-D システム構成要素【テクノロジ系】
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