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3-K-4【情報セキュリティ対策】暗号技術と認証技術の概要

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情報セキュリティの確保には、データの暗号化や認証技術が欠かせません。これらは、情報が不正にアクセスされないように守るための重要な技術です。本記事では、暗号技術認証技術について、基本的な仕組み、使用される技術、活用方法について詳細に解説します。


1. 暗号技術

1.1 暗号技術の基本的な仕組み

暗号技術は、情報を暗号化することによって、第三者が情報を読み取れないようにするための技術です。暗号化は、送信者が情報を暗号化し、受信者がその情報を復号することによって成り立っています。これにより、通信の安全性が確保されます。

1.2 暗号化アルゴリズムの種類

  • 共通鍵暗号方式:送信者と受信者が同じ鍵を使って情報を暗号化・復号する方式。高速で処理されますが、鍵の管理が重要となります。

  • 公開鍵暗号方式:送信者が受信者の公開鍵で情報を暗号化し、受信者は自分の秘密鍵で復号する方式。鍵の配布や管理が便利で、安全性が高いです。

  • ハイブリッド暗号方式:共通鍵暗号と公開鍵暗号を組み合わせて使用する方式。共通鍵暗号の高速性と公開鍵暗号の安全性を併せ持っています。

1.3 ハッシュ関数

  • ハッシュ関数は、任意の長さの入力データから固定長の出力を生成する関数です。データの整合性チェックやパスワード保存に使われます。暗号化された情報を元に戻すことができない「一方向性」特性があります。

1.4 暗号化の活用例

  • WPA2による無線LANの暗号化:無線LAN通信のセキュリティを確保するため、WPA2プロトコルを使って通信内容を暗号化します。


2. 認証技術

2.1 認証技術の必要性

認証技術は、利用者が正当な権限を持つ人物であることを確認するための技術です。情報システムのセキュリティを強化するためには、アクセスを許可する人物が本物であることを確認することが不可欠です。

2.2 認証技術の種類

  • デジタル署名:送信者が秘密鍵で署名し、受信者は公開鍵でその署名を検証する方式。これにより、データの改竄がないことを証明できます。

  • タイムスタンプ:情報に時刻認証を付けて、いつその情報が作成または送信されたかを証明します。

  • リスクベース認証:ユーザーのリスクプロフィールに基づいて、認証方法を調整する手法。例えば、異常なログイン試行がある場合、追加の認証手段を求めることがあります。

2.3 利用者認証

利用者認証には、以下の方法があります:

  • ログイン(IDとパスワード):最も基本的な認証方法で、ユーザーIDとパスワードを組み合わせて認証します。

  • アクセス管理:ユーザーに対して適切なアクセス権を設定し、不正アクセスを防ぎます。

  • ICカード:物理的なカードを用いた認証で、ドアの施錠やシステムへのログインなどに利用されます。

  • ワンタイムパスワード(OTP):一度きりで有効なパスワードを使用することで、盗まれたパスワードの不正利用を防ぎます。

  • 多要素認証(MFA):複数の認証要素(例:パスワード、スマホの認証コード、生体認証など)を組み合わせることで、セキュリティを強化します。

2.4 生体認証技術

生体認証は、身体的な特徴を利用して利用者を認証する方法です。以下の技術があります:

  • 静脈パターン認証:手のひらや指の静脈パターンを使って認証します。

  • 虹彩認証:目の虹彩を利用して認証します。

  • 声紋認証:音声の特徴を基に認証します。

  • 顔認証:顔の特徴を使って認証します。

これらの生体認証技術は、非常に高い精度とセキュリティを提供します。


3. 公開鍵基盤(PKI)

3.1 公開鍵基盤の仕組み

公開鍵基盤(PKI)は、公開鍵暗号方式を支えるインフラです。PKIは、秘密鍵と公開鍵のペアを使って、デジタル証明書や認証局(CA)などの仕組みを提供します。PKIの主な役割は、以下の通りです:

  • デジタル証明書:公開鍵とその所有者情報を証明するデジタル文書で、信頼できる認証局(CA)によって発行されます。

  • 認証局(CA):デジタル証明書を発行し、その証明書の有効性を確認する機関です。

  • CRL(証明書失効リスト):失効した証明書をリスト化して管理します。

3.2 公開鍵基盤の特徴

  • 信頼の基点:認証局(CA)によって発行される証明書は、PKIの信頼の基点(トラストアンカー)として機能します。

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