DAMAの遷移
DAMAも他の消費者行動モデルと同様に線形に遷移する。遷移の中に多くのループがあるのが特徴である。
M:Memoryは習慣性依存症の様相を持ち、この特徴が最終的購入意思決定に大きく作用する。
<DAMAモデルの遷移は短い。逆伝播もある>
AIDMAは、大量の広告宣伝、プロモーションで存在に気づかせ(Attention)、興味関心をもたせ(Interest)、欲しい(Desire)と思わせるまで繰り返し広告して、記憶に刻みつけ(Memory)て最終的に買わせる(Action)という遷移をを持つ。
DAMAは非マーケティング要因も含めて欲しい(Desire)が発生し、依存症的記憶(Memory)からの情報であるブランドが想起(Attention)され、躊躇の意識を再びMで乗り越えて買う(Action)に遷移する。
そのアクション(購入)がM:Memoryを強化するループがある。
AIDMAは新製品を想定し大量の広告宣伝・プロモーションを前提にしているのに対して、DAMAは既存品でしかも習慣化するほどリピートされた製品ブランドで広告宣伝の効果はそれほど期待しないモデルになっている。
またAIDMAは心理プロセスが長いがDAMAは短い。短い中に躊躇のプロセスが挟み込まれているのが特徴的である。
<購入3条件とDAMAモデル>
油谷遵の生活心理分析では、買われる、買い続けられる商品、つまり、成功商品は以下の3つの条件を満たしていると主張する。
購入促進条件は魅力条件で、「惹きつけられる」要素を持たない商品は買われないどころか気にかけてももらえない。
次が購入保証条件で、これはある行動を起こそうとすると必ずやめた方がいい、他の選択肢もあるはずなどの否定・回避の心理が働くという生活心理分析で説明される躊躇のプロセスである。
この躊躇心理を超えさせる条件が必要なのであり、それを購入保証条件とする。
最後に、購入継続条件、また買ってみようとする魅力、常に配荷されているなどの条件があれば買われ続ける商品になる。
<依存症的記憶は気づき(想起)だけでなく、購入保証条件にもなる>
依存症的記憶の構造と作用を考える。
ブランド名、パッケージなどのデザインイメージ、おおよその価格が記憶されていなくてはならない。使った、飲食したときの感覚・感触がよい方向に傾いていることも必須で、最も重要なのは当該ジャンルで第一想起されることである。
少なくとも第二想起までに入っている必要がある。これを維持させるためには売る側の新しい刺激(広告、キャンペーン)に接触させていることが大切である。
最寄品であれば、習慣的購入体験を持つことでこの依存症的記憶は強化、維持される。
依存症的記憶に記憶されたブランドは欲求が発生したときに自動的に想起される。
第一想起であり、エボークトセットのひとつではないので、競合関係・比較検討のステップはない。
行動(購入)そのものを躊躇させる意識、認知的不協和気分も依存症的な行動で購入保証条件として簡単に乗り越えられる。
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