心のヨガ1 常に湖面のように静かな心を手に入れたい人へ。
ある所に何でもくれるユーレイがいました。お金でも宝石でもお城でも何でも!
ただし、願い事が無くなると命を取られてしまいます…!
その話を聞いたある男は、ユーレイの所へやって来ました。
男は願い事が山のようにあったので、願い事が尽きるなんて考えられなかったのです。
ユーレイは男の願い事をなんでも叶えてくれました。
男が城を建ててくれ、と言えば、
はい、どうぞ、と一瞬で建てました。
男が召使いも大勢欲しい、と言えば、
はい、どうぞ、と一瞬で出しました。
男がお金を山ほど欲しいと言えば、
はい、どうぞ、と一瞬で出し…
すべての願い事を一瞬で叶えられてしまうので、とうとう男は何も願いが無くなりました。
しかし、このままではユーレイに命を取られてしまいます。
男は恐ろしくなり、逃げ出しました。
ユーレイは気づいて追いかけてきます。
ユーレイが背後に迫ってくるのを感じながら、男はやっとのことで村外れの賢者のもとへ逃げ込みました。
賢者に男が救いを求めると、賢者はこう言いました。
死んだブタの尻尾を切り落とし、それをユーレイに渡して 「この丸まった尻尾を真っ直ぐに伸ばせ」と言いなさい、と。
男は賢者の言う通りにしました。
するとユーレイは毎日ずっと、丸まったブタの尻尾を伸ばし続けました。
何日も何日も伸ばし続けていましたが、一向に伸びません。ユーレイはとうとう我慢できなくなり、男に頼みました。
お願いです、もうこの仕事から解放して下さい。そのかわり、命も差し上げたお城や召使い、お金もすべて差し上げますから…と。
男は了解し、ユーレイは去ったそうです。
◇
◇
このお話は、ヨガの伝承話です。
インドはカースト制があり、代々親から受け継いだ仕事がありました。
きっと中には、その仕事が嫌だったり、飽きてしまう人もいたでしょう。
この訓話は、もしかしたら仕事を放棄されないために作られたのかもしれません。
でも大切なのは、
どんなに単調な仕事でも、
ブタの尻尾を伸ばすような退屈な仕事でも、
淡々とやれば 嫌にならない、
「できない!」とアタマで考えない、焦ったり感情的にならない事なのです。
ヨガで教えたいのは、心の使い方です。
どんな仕事に対しても、心を波立たせず、イライラせず、
まるで 湖面のように静かな心で 常に行えたら。
どんなに楽に生きれるでしょう。
そんな心でいたいあなたに、
ヨガで心を変えるお話をこれからも書いていきたいと思います。
私が10年前に出会い、人間性が180度変わったヨガ療法です。
変われたお陰で、
夫と仲良くなり、
育児ストレスで八つ当たりしてた
子ども達にも、ほとんど怒らない
母になれ 、
転勤続きで友達ビンボーだったのに、お客様という名の大切なお友達ができました。
それもこれもヨガ療法の教えのお陰様です。
いつの日にか、私がこの世にいなくなっても、後世の人が読んで
ほんの少しでも得るものがあり、幸せになりますように。