ヒンデンブルグオーメン -テクニカル分析手法-
債権市場が不安定になり、債権価格の急落により金利上昇、その結果として株価が急落など、投資する者としては不安な日々があると思う。そんな状況におけるテクニカル分析の手法のひとつです。
ヒンデンブルグ・オーメンHindenburg Omen
株価の先行きに警鐘を鳴らすシグナルとされているテクニカル分析
株暴落の前兆を知ることができる。
過去の米株式市場に起きた株価急落の事象に基づき、数学者Jim Miekkaが導いたテクニカル分析手法。
「ヒンデンブルグ」の名称の由来
1937年にアメリカ国内で発生した事故に由来する。ドイツの飛行船「ヒンデンブルク号」が爆発・炎上したものである。
1937年5月6日に米国ニュージャージー州マンチェスター・タウンシップにあるレイクハースト海軍飛行場で発生。
ドイツ硬式飛行船 ヒンデンブルク号が爆発し炎上した。この事故で、乗員・乗客35人、地上作業員1名、合計36名が死亡。乗客の多くも重傷を負った。1975に映画化されることで知られる。硬式飛行船という形状の変化しない飛行船に関する安全性への疑問から、飛行船時代の幕引きとなった。
他の重大事故としては、1912年のタイタニック号沈没事故(英国)、1986年のスペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故(米国)などもある。などとともに20世紀の世界を揺るがせた大事故のひとつとして知られている。
ヒンデンブルク号は、ドイツ・フランクフルトを発ち2日半かけて大西洋を横断し米国のレイクハースト海軍航空基地着陸の際に、尾翼付近から爆発。その炎は一瞬で船体を焼き尽く津という事故。爆発から僅か約30数秒で墜落。当時、乗員・乗客97人だった。
そのヒンデンブルグに由来する。
債権市場での急激な乱れと、この事件が一瞬のうちに大惨事となったことからこの名称を用いているとの説です。
発生の条件
そこで、ヒンデンブルグ・オーメンの発生条件です。
条件1 NYSEにおいて、
「52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数」が「その日の値上がり・値下がり銘柄合計数」の2.8%以上である。
簡単に言えば、一年を通じ上昇する相場で、その日が急騰し過熱感がピークとなった状態である。こんな感じです。
条件2 NYSEインデックスの値が50営業日前を上回っている
この条件を満たすと、移動平均線を上抜けしているので、中長期的な上昇トレンドあるということ。
条件3 短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナス
マクラレン・オシレーターとは、指数は上昇しているが構成銘柄をよく見ると一部の銘柄が急騰し、その他は下落している。しかし指数全体は上昇するということを判断するための指標となります。具体的には以下の通りなります。
数値がプラスの時 ーー> 市場が上昇傾向
数値がマイナスの時 ーー> 市場は下降傾向
数値が極端に変動する ーー> 買われ過ぎ又は売られ過ぎ
上記のように相場判断に活用します。では、最後の条件です。
条件4 52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の2倍を超えない
以上4つの条件を満たす時に以下のような事象が株式相場に起こるとされます。
・77%の確率で株価が5%以上下落
・41%の確率でパニック売りとなる
・24%の確率で株式市場が重大なクラッシュとなる
以上のことが起こります。
今年2月下旬に上記3つのことは一時的に起こりました。しかし、今は比較的正常な状態にもどりつつあります。今年を除けば、直近では2019年にそのシグナルが点灯したとされます。
とはいえ、予兆の判断材料として参考になります。しかし、このような相場感はヒンデンブルグ・オーメンの指標を用いなくとも肌感覚でわかるで、私は使っいません。そう言いつつ、客観的な指標として研究する余地はあると思ってます。
ここまで読んで頂きありがとうございます。