サンデー 2021年2月期本決算
会社概要
青森県を地盤とするホームセンターチェーンの決算について紹介します。イオン傘下、東北6県に店舗網を拡大し、カー用品専門店も運営。DIY用品を中心とした商品を販売、その他として住まい、暮らし、余暇関連の生活用品も販売。チェーン店経営ならではの、新規出店によるドミナントエリアの形成、顧客ニーズに基づく商品導入、人材育成による集客力と収益力の向上を図ることを中期目標として取り組む。
ドミナント経営など、チェーン店経営に関しては以下の記事を参考にしてください。
また、設立などは以下の通りです。
※ 臨時従業員の期中平均人員(2020年有報より)
沿革
1975年5月 株式会社サンダイヤーズマートを設立
1975年10月 八戸市に一号店出店
1976年11月 商号を株式会社サンデーに変更
2003年8月 イオン株式会社と業務・資本提携
2006年4月 イオン株式会社の子会社となる
2014年4月 医薬品の取扱い開始
2015年3月 「SUN急便」サービスを本格稼働
2018年12月 スマートフォン向けアプリの提供開始
店舗の特長
朝7時からの営業と医薬品販売
地域には農業従事者、工事関係者が多く全店で早朝7時より営業を開始。そして医薬品販売(2類、3類医薬品)を、2014年4月25日朝7時より青森浜田店を皮切りに、現在計13店舗で販売(2020年2月末現在)
ネット・モバイル通販
サンデー通販サイトで、簡単便利にお買物ができるサービスを転換。サイトはモバイル対応をしている。取扱商品数は約20,000品目
WAON(ワオン)の拡大
イオンの電子マネー「WAON(ワオン)」をサンデー全店で使用可能
本決算の概要
決算日当日、地元紙で扱われた記事です。ではその概要です。
売上高 521億円 (前期比27億98百万円増)
営業利益 18億22百万円 ( 〃 14億44百万円増)
経常利益 18億65百万円 ( 〃 14億60百万円増)
当期純利益 11億8百万円 ( 〃 15億74百万円増)
なお。今期4Qの経常損益は1.9億円の黒字(前年は0.6億円の赤字)となり、売上営業損益率は前年-0.6%から1.5%に改善。
しかし、来期の見通しは少子高齢化に伴う人口減少などを背景した一般消費者の購買行動が活発化しない状況の継続、業種・業態の壁を超える競争激化、人件費や物流費の上昇傾向の継続等の要因から、売上高501億円、営業利益10億47百万円、経常利益10億77百万円、当期純利益5億円(今期比で−54.9%の下落)を見込む。
営業利益増加の要因
ホームセンター2店舗と八戸にペット専門店Zoomoreを出店するなど、感染拡大の状況において堅実に営業を実施した。
消費支出・行動変容とそれらへの対応
インターネットを介する消費支出・行動へシフトするとともに、東北地方は感染拡大以前より少子高齢化が急速に進行する背景もあり、商品購入の負担軽減のためSUN急便と呼ぶサービスが注文増となった。1件500円で配達に応じ、一万円以上購入で配達料が無料となる。
SUN急便 商品を宅配するだけでなくDIYアドバイザーの資格を持つ従業員が補修・修繕・取付まで実施するサービス
モバイルへの対応
サンデー公式アプリ(モバイル)からSUN急便による商品配達を注文可能な仕様変更により、配達件数、配達売上ともに前年を上回る実績となった。
在宅時間の増加
家屋の補修・修繕に関する商材を提案し、木材、金物、工具、塗料などのDIYに関連する商材の販売が前年を上回る状況が継続。感染予防に関する衛生用品及び内食需要の増加による調理家電、調理用品などの販売が好調に推移。
季節商材が好調
猛暑により、除草剤や害虫駆除関連商品の販売が好調、季節家電であるエアコンや扇風機等の販売が好調に推移。
記録的な降雪であったなど厳冬だったこともあり、暖房や除雪に関連商材の販売も好調に推移。
顧客サービス向上など
電子マネー機能を付加したサンデーWAONカード導入を昨年5月より開始したこと、営業時間短縮による人件費抑制や大型セールを中止したため販売促進費の削減が営業利益を押し上げた。
その他
B/Sより、自己資本比率は昨年29.7%より改善。その要因として、資産における在庫削減等の効果が見られる。
FCFの改善もみられ、上述の通り純利益増加による営業CFが大きく増加。投資CFは、新規出店、既存店の活性化、空調及び電気設備入替等に伴う有形固定資産の取得による支出8億22百万円。財務CFは、長・短期資金借り入れにより純減額22億50百万円となった。
地元青森県を地盤とするホームセンターの紹介がてら本決算については以上となります。(写真:青森浜田店)