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2018年、VIXタントラムを振り返る

こんにちは
金利上昇など、株価へ影響する悪い要因が日々噴出し寝不足です。私事

 しかし、そのような環境においてこそ、過去の相場を振り返ることが大切な時があります。FRBなどに起因し、3年前に金利が急上昇する局面を迎え、世界の相場が一時混乱したことがあります。

2018年10月の株式相場

 その年の10月における世界株式市場はというと、ブラジルを除いて全面安でした。

 10月の主要市場の株価指数(騰落率
 ・(米)NYダウ  ==>▲5.1%、
 ・(日)日経平均株価 =>▲9.1%
 ・(独)DAX30  ==>▲6.5%、
 ・(英)FT100   ==>▲5.1%、
 ・(中)上海総合指数 ==>▲7.8%

 大幅安となった。理由は、米長期金利の上昇割高感が意識されたハイテク株を中心に米国株が急落。投資家のリスク回避姿勢が強まった。
 しかし、11月に入ると世界の株式市場は米中貿易摩擦の緩和期待などから反発。米中間選挙の結果は市場の予想通り下院で民主党が多数党に返り咲く結果となり、世界の株式市場は大幅に続伸した。
 株式市場の変動率が高まるなか、今後もこの10月のように世界的な株式市場の動揺は繰り返される可能性がある。

2018年は世界同時株安は2回あった。

 1回目は同2月の「VIXショック」
 なので、10月に起きた大幅な世界同時株安は、2018年では2度目となる。VIX指数とは、株価の変動性(ボラティリティ)の将来(予想)を示す指数。VIXに関しては以下を参考にしてください。

 VIXは、上昇すれば相場の変動に対する市場の警戒度が高く、下落すれば低いとされ、「恐怖指数」とも呼ばれる。
 VIXは将来に対する変動、市場心理を表すことでも知られる。長期金利やVIXが大きく変動する場合、ヘッジファンドやクオンツ(鞘取りを専門とする銀行などのファンド)などがVIX指数を利用して株式運用している。
 同2月の「VIXショック」は、米雇用統計(1月分)において時間当たり賃金が予想を上回る伸びであった。
 その賃金上昇ペースが上昇したとこから市場関係者は景気回復に伴い、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが加速するとの予測が強まった。その結果、米長期金利が大幅上昇し、株価急落要因となった。多くのクオンツはVIX指数の急上昇により、スクイーズが発生し、ロスカットすることとなった。従って、短期間で株価変動を加速させたと言われる。

同10月の相場変動要因とその背景

 大きく2つある。

 ・FRBの発言
 ・中国の景気減速

 当時の世界株安についても、10月初めのVIX指数は12程度と低位で推移。VIX指数先物の売りが膨らむなど、相場が落ち着いた状態でジリ高になるシナリオに賭けている投資家がほとんどであった。しかし、VIX指数が警戒水準とされる20を大きく超えたため、クオンツの売りが株価下落に拍車をかけたとみられます。

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 ここで、大幅な株価調整となった背景「FRBの発言」と「中国の景気減速」をぞれぞれ見ていきます。
 きっかけを与えたのはFRB議長の発言です。当時は、景気が予想よりも堅調であり、パウエル議長をはじめFRB首脳が「来年にかけて利上げ回数が増える可能性」について言及していました。そのタカ派発言を受けて、米10年国債利回りは一時0.20%~0.25%の上昇となった。加えて、BEI(インフレ連動債市場におけるブレーク・イーブン・インフレ率)に大きな変動はありませんでした。同2月の株安局面で期待インフレ率が急速に高まったのとは対象的で、景気が堅調なことから長期金利が上昇したものと市場は見ていた。
 米中貿易摩擦について、中国政府はIT産業育成策では妥協しない立場を堅持していた。そして、中国は米国の追加制裁(関税など)はやむなしとの姿勢に傾きつつあり、米中貿易摩擦は深刻化、長期化の懸念が強くなった。加えて、IMFが改訂世界経済見通しで、2019年の世界及び中国の成長見通しを0.2%引き下げた。

 同年10月の相場下落した以降、11月の米中間選挙は市場の予想大方の予想通り「上院は共和党、下院は民主党が多数党」の「ねじれ議会」が誕生。
 その後、米国市場では上記懸念を残しつつ相場は反発してます。

 さいごに、VIX指数をもって今後の相場を予想する場合、

 ・要因の動向を継続注視
 ・投資家の市場の見方の変化に敏感になる
 ・VIX指数などを通してわかる投資家のポジションの偏り、需給など

に注意が必要です。


ここまで読んで頂き、有難うございます。